五輪開催を来年8月に控えて、今が一番準備に忙しいはずのリオ市では、予想されたような〃五輪効果〃が得られず、労働市場は冷え込んでいると18日付の伯字各紙が報じた。
労働省発行の全国就労・失業者台帳(Caged)に登録されている全国5千の自治体の中で、リオ市は今年上半期で最大の雇用喪失数を記録した。
今年上半期で、新たに正規雇用に就いた人の数から職を失った数を引くと、リオ市はマイナス3万6600人となった。これはベロ・オリゾンテ市(同2万6600人)、サンパウロ市(同3万1300人)を上回る。
専門家達は、現行のブラジル経済を覆う不況を主要因に挙げているが、リオ市の雇用減の主因はそれに留まらないようだ。石油価格下落と、ラヴァ・ジャット作戦の進展に伴うペトロブラス社(本社=リオ市)の財政悪化、工事停滞などの影響を受けた石油業界の不振も大きく影を落としており、船舶建造・整備部門、石油採掘・精製部門、バイオ燃料部門などで顕著になっている。
リオ州金属工業組合によると、リオ市北部のイニャウマ造船所だけでも労働者数が8千人から3千人に減少した。
クレイトン・フレイタス・デ・クルスさん(金属工、36)は、リオ市中心部のRio・Nave造船所での職を失い、同業種への再就職は未だかなっていない。「造船業界はサッパリだ。他の会社も一緒」と嘆く。
しかし、失業増加が一番大きかったのは今年前半で1万5千人が職を失った小売業で、「サービス部門は、リオ市で一番雇用を減らしている部門で、特に今年の初頭は酷かった。石油部門の減退がその要因となっている」と、リオ連邦大学のマウロ・オソリオ教授は語った。
リオ州小売業組合のアウド・ゴンサウベス会長は、不況に伴い一般家計の消費が落ちている事がリオ州小売業苦戦の要因だとしている。
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