連邦会計検査院(TCU)が〃ペダラーダ〃(「監査逃れ」の意)と呼び、違法性を指摘した14年度の会計報告について、ジウマ大統領の弁護団は22日「違法性は無かった」とする説明書類を提出したと23日付伯字紙が報じた。
政府側弁護団代表のルイス・イナーシオ・アダムス氏は、TCUに1千ページ以上に及ぶ書類を提出する前に、ジウマ大統領と会談した。
同弁護士によれば、大統領は審査の行方に自信を持っており、仮に申し立てが却下されたとしても、自らの罷免にはつながらないとの見方を示した。同弁護士自身も「『14年度会計報告がTCUに非承認された場合に大統領罷免につながるか』との問いは、仮説だとしても話にならない」と述べた。
国庫庁に当座の資金が不足していた時に、公的銀行の連邦貯蓄銀行(Caixa)から社会保障費を支払った事を粉飾会計であるとしてTCUは問題視している。
政府はTCUに対し〃ペダラーダ〃は税務犯罪には当たらず、正当な財務手続きだったと主張し、また国庫と公的銀行間の資金の行き来は、多かれ少なかれ、フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ民主社会党(PSDB)政権(95~03)が財政責任法を制定した2000年より起こっていたとする証拠を提出の上、当時TCUは問題視していなかったと主張する構えだ。
政府にとっては〃ペダラーダ〃は公的銀行からの借り入れを意味するものではなく、業務の代行だとし、さらにTCUが法の解釈を変えるならば、それは今後起こる事例にのみ当てはめるべきとしている。
TCUはそれに反し、財政責任法は公的銀行が政府の支払いを一時的にでも肩代わりすることは禁じているとしている。
TCUでの審査結果は8月末に発表される予定で、非承認とする可能性を否定していない。TCUの審議結果が出た後、その判断を受け入れるか否かの決定は、連邦政府との関係が怪しい雲行きになってきている下院、および上院にゆだねられることになる。