地元開催W杯優勝の夢も無残に散った「ベロ・オリゾンテの悲劇」からわずか1年余り、3年後、ロシアでの捲土重来を目指す戦いが始まる。
自動出場枠4、プレーオフ枠1を争う、ロシアW杯南米地区予選が今年の10月に開幕する。
グループ分けが気になる欧州等とは違い、加盟10カ国総当りで行われる南米予選でも〃抽選の妙〃は存在する。
「チーム1対チーム2」「チーム7対チーム4」などのように、番号だけが割り振られた表が先に存在し、10カ国に抽選で1から10までの数字が与えられる事で、対戦順が確定する。
25日の抽選に先立ち、FIFAはブラジルとアルゼンチンの数字を発表した。ブラジルは5、アルゼンチンは4となり、両者が対戦する日程が決まった。今年11月初旬の第3節で、アルゼンチンのホームだ。
チーム5のブラジルは10月の開幕戦をチーム2とアウェイで戦い、その直後にチーム7をホームで迎え撃つ。
ブラジルの大黒柱ネイマールは、先に行われたコッパ・アメリカで受けた出場停止処分が2試合未消化で残っており、最初の2試合には出場できない。頼りのネイマールの登場は、最大の難関アルゼンチンとのアウェイ戦からとなる。
ブラジルは前回大会ではホスト国のため予選を免除されたので、最後に予選を戦ったのは10年南アフリカ大会予選だ。つまり現在主軸のネイマール、チアゴ・シウバといった面々は予選に出ておらず、出場経験があるのはロビーニョ、ダニエウ・アウベス、フェリペ・ミランダなどに限られる。
昨年ドイツ戦7対1の屈辱を喫した後だけに、国民からのW杯へのプレッシャーは半端ではない。ある意味、本番よりもプレッシャーのかかる予選といえそうだ。コッパ・アメリカでの惨敗もあり、初戦を落とすと一気に悲観ムードが国中を覆いつくす可能性もある。そのためにも初戦はホームが望ましかったがそれも叶わなかった。
「ブラジル恐るるに足らず、今が倒し頃」とぶつかってくるライバルをはねのけ、ロシア行きの切符をつかめるか。2年以上に及ぶ長い戦いの幕開けはすぐそこだ。(規)