日本祭りがいよいよ開幕した。個人的な楽しみは本番そのものではなく、前もって各県人会が準備する場面にある。郷土食販売に至るまでの経緯、当地で再現する工夫、そして熱意を知るとそれが絶妙な隠し味になるのだ。
こぼれ話も聞こえてくる。「競合を避けるため天ぷら販売を止めた」とか、「塩気や甘味を強めブラジル仕様に」、「研修生にプロのレシピを学んでこいと頼んだ」とか。戦略が見え隠れすると味わいも増す。
また各会が一番賑やかなときでもあり、取材する側にとっても日本祭りの到来を実感させる。影の薄い県人会が、案外多くの人手で準備していたりと改めて知ることも多い。
各県が真心込めて仕上げた郷土料理。本番会場ではお気に入りの食品を片手に、自分だけの隠し味を探ってみて。(祐)