2006年5月12日に始まった犯罪組織州都第一コマンド(PCC)の一斉蜂起では多数の軍警、市警を含む死者を出し、サンパウロ市を大混乱に陥れ、国際的にも大々的に報じられた。それを終わらせるため、当時収監されていたPCCの首領マルコ・ウィリアンス・エルバス・カマーショこと「マルコーラ」とサンパウロ州政府の代表が隠密裏に交渉して〃停戦協定〃をしていたという証言を、27日付エスタード紙が独占記事ですっぱ抜いた。
サンパウロ州政府とマルコーラの会談の事実を明かしたのはジョセ・ルイス・ラモス・カヴァルカンティ署長。サンパウロ州政府側としてマルコーラとの会談に出席した1人だった。
州政府側とマルコーラの会談は、プレジデンテ・ベルナルデス刑務所内で厳重な警備の元に行われたという。
サンパウロ州政府側と巨大犯罪組織の〃癒着〃疑惑は以前から指摘されていたが、州政府は常にその事実を否定してきた。マルコーラとの会談がPCC停戦の条件であったことは認めている。
PCC側の条件「収監されているマルコーラの健康に問題がなく、警察に拷問されていないこと。刑務所内で反乱を起こした囚人たちが今後軍警に暴行されないと、刑務所の外で一斉蜂起した責任者に知らされるならば攻撃は終了される」という提案は、当時のPCCの弁護をしていた弁護士イラセマ・ヴァシアヴェオ氏によって政府にもたらされた。この提案内容はマルコーラ自身によって考えられたとされている。
当時のサウロ・デ・カストロ・アブレウ・フィリオ公共保安局長と古川長刑務所管理局長は、同弁護士の提案を受け入れたらしく、クラウディオ・ロンボサンパウロ州知事(当時)も会談を了承したと報道されている。
カヴァルカンティ警察署長は、マルコーラは囚人の権利を尊重するように警察に要求したことは認めたが、自分とマルコーラとの間にいかなる癒着も存在しなかったと主張している。