ここ数年、ブラジル経済を牽引してきた一般家庭の購買力(一般支出)が2003年以降、初の落ち込みを記録したと26日付フォーリャ紙が報じている。
経済コンサルタントのテンデンシア社が調査したところによると、2015年1月から5月にかけての一般家庭の購買力は、月間平均2400億レアルだった。
これは昨年同期の月間平均2560億レアルより6・2%減っており、2003年以降で初の落ち込みとなった。この傾向は今後も数カ月間続くと見られている。
5月だけ見ると一般家庭の購買力は2290億レアルまで落ちており、2285億レアルだった2012年1月並みの低さとなった。
「購買力が上がっていた時期が長かったあとだけに、〃貧しくなった〃とは言いがたいところもあるが、これが今、ブラジルで起こっていることだ」と、テンデンシアのエコノミスト、ロドリゴ・バッジ氏は語っている。
同社によると、購買力低下は、物価の上昇に所得の増加や消費を支えるためのクレジット枠の増額が追いつけないために起きているという。2015年の生活費は昨年より10%増えているが、雇用カットも進む中、給与調整交渉は例年以上に難航している。
同社では、一般家庭の購買力は15年末時点で昨年比6・1%減と予想しているが、16年はインフレが減速するため、購買力は今年比0・6%増となると見ている。