無事に終わった日本祭り。使用できるスペースも大きく変わり、議員からの支援もなくなり、開催にこぎつけるのは大変だったようだ。聞けばスポンサーの数も額も昨年よりは増えたようで、この不景気のなか企業の心意気を感じる。土曜日、雨にたたられたせいもあり昨年よりは少なかったようだが、約15万人が来場した。なにはともあれ、県連、関係者の皆様にご苦労さまでしたと申し上げたい▼やはり楽しいのは食スペース。一時はヤキソバばかりになった反省もあるのか、なかなか渋いところを突いてくる県人会も多く、原点に戻っているような気がする。当初の郷土食祭りに回帰しつつ、18回の経験を踏まえた落ち着き感さえ見えてきた。屋台スペースが分散した格好になったことで「全部を見てまわるのは大変」との声も聞いた。火を使えず、風の具合もあるのか外の煙が屋内に入り会場の食スペースの一部分が白くなっていた。構造上の問題はなかなかに難しい▼日本政府関係の「ジャパン・パビリオン」は、名前だけの印象が強かった。特に今回のテーマである「絆」を伝える日伯共同プロジェクトの写真展は、パネル展示だけで淋しい限り。やっと感の否めない初の日本政府参加だったのだが、〃本物〃参加のインパクトはどれだけあったのか。入り口すぐのいい場所だっただけに残念だ▼毎回驚くのは、各所で働く若い世代の存在だ。約700人がボランティアとして運営を支えた。県人会の屋台も若い笑顔があちこちで溢れた。日系社会衰退の声も多いが、毎年この祭りに来ると、明るい未来を感じさせてくれるのがいい。(剛)