昨年からは広島風お好み焼きも販売する奈良県人会は、昨年1500枚を売り上げ、今年は2千枚を目標に定めた。鹿の角を頭に着けた青年らが忙しく焼き上げる中、役員の月本イサオさんは「5種類以上の調味料でソースを作った。変わったものも用意しないとね」と好調な売れ行きを喜んだ。
そして、ご存知和歌山。店舗位置はくじ引きによって決まるが、毎年長蛇の列となるため会場端に配置される。この時期になると、準備期間を含め総勢100人のボランティアを動員する盛り上がりを見せるが、売り上げ枚数は昨年よりも落ちたようだ。
山梨県人会一押しの郷土食は「ほうとう」だ。味噌仕立ての汁でうどん、かぼちゃなど野菜を煮込んだもので、戦国武将の武田信玄の陣中食として伝えられている。山口正男、宮沢久雄両副会長によれば〃ソッパ・デ・サムライ〃として宣伝すると、「侍が食べて強くなった食事なら、自分も食べてみたい」と毎年ブラジル人に好評という。
大阪なにわ会は弁当、寿司、焼きそばなど様々なメニューを準備。錦糸卵、ちくわ、椎茸、昆布、ささみ、天ぷら…と具沢山のなにわうどんも売れ行き上々だった。うどん担当の高瀬千秋・美恵子姉妹は、「大阪は食い倒れですから、具を沢山入れてます。日系の方はボリュームがあると喜びますからね」と笑顔を見せた。
高知県人会では、カツオのたたき、鯛の蒸しなど自慢の郷土料理を販売し、高齢者に喜ばれた。しかし客足は今一つのようで、高橋一水名誉会長は「昨年は足の踏み場もないほどだったのに、今年は人の入りが少ないようだ。水曜は午前2時に起きて魚を260キロも買ってきたから、残らないようしっかり売らないと」と口元を引き締めていた。(終わり)