県連日本祭りの日本館では農林水産省主催の和食セミナーも3日間にわたって開催された。日本から派遣された3人に加え、現地のお菓子専門家が入れ替わり講習を行い終日賑わっていた。
中でも寿司実習と試食は大人気。一般社団法人・国際すし知識認証協会(本部=東京)の理事・認定講師の小川洋利さん(ひろし、42)は5月に続いて、来伯2度目。笹の葉を包丁で自由自在に切る手さばきを披露し、参加者からはため息が漏れていた。
本紙取材に対し、「サンパウロは世界で5番目に日本食店が多い。世界に寿司職人は11万人いると言われるが、9割は生魚に関する正確な知識なしにやっている。だから食中毒などの危険も増えてしまう。まな板の衛生など特に大事」と訴えた。今年だけで20カ国でセミナーを行っているという。
同協会派遣、モニカやピカチューの飾り寿司で大人気だったすしアドバイザーの中川千春さん(43)は「モニカの顔の輪郭を出すのが難しかった。今朝の午前3時までかかり、ようやくできた」という苦心の作だった。「ブラジルでは飾り寿司を実際に見る機会がまだ少ないようで、興味を持ってもらえ嬉しい。日本国内で飾り寿司の人気が高まっており、特に外国人の人は留学生や観光客まで習いにくる」という。
モニカやピカチューの飾り寿司を手に、両講師と記念撮影をする参加者が列をなした。その後の蕎麦打ちセミナーにもたくさんの参加者が集まっていた。