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サンパウロ市=制限速度引き下げ論拠提示=事故損害額は3年2億レ弱

 過去3年のマージナル・チエテ、ピニェイロスの両幹線道路で発生した事故による損害総額が1億8900万レアルに及ぶとの試算をサンパウロ市役所は発表した、と29日付エスタード紙が報じた。
 先週から施行された制限速度引き下げに対し、利用者から強い不満の声が挙がっているのに対し、その正当性を主張する論拠として、この試算が27日に法廷に提出された。これは、応用経済調査院(Ipea)発表のデータを元に算出された。
 フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)は、「制限速度引き下げに反対するブラジル弁護士会(OAB)による訴状は、連邦裁判所に送られるべき」との見方を示した。
 「費用対効果」の観点から考えた場合、車両のスピードアップの恩恵は、事故で失われる人命、渋滞、復旧にかかる資源、人件費などのマイナス面と比較にならないほど小さいとサンパウロ市側は述べた。
 制限速度引き下げに反対している、サンパウロ市及び周辺地域貨物輸送業者組合(Setcesp)のマノエル・ソウザ・リマ会長は、両道路の一般車線は最大で時速50キロまで下げられた事に触れ、「50キロでは強盗がしやすくなり、被害が増える。貨物輸送車が強盗に遭えば、別の車を出さなくてはならず、運送料も上げざるを得ない」と主張した。