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日本は菜食「者」嫌い?

リベルダーデ区のビーガンレストランで、卵や乳製品を使わないのに美味しいと〃雑食者〃にも人気のフェイジョアーダ

リベルダーデ区のビーガンレストランで、卵や乳製品を使わないのに美味しいと〃雑食者〃にも人気のフェイジョアーダ

 本紙サイトにのみアップしている編集部ブログで、ベジタリアン(菜食)の女性職員が「ブラジルにおける菜食事情」をレポートした所、結構な数のアクセスがあった。「肉食国家ブラジルで菜食が盛ん!?」という意外性が関心を惹いたのだろうと思う▼「沢山読まれて良かったね」と労うと、「うん、でも結構きついコメントもあって…」と顔を曇らせた。本紙の記事は一般検索エンジンのニュースサイトからも読めるのだが、心無いコメントを残した人達もいたようだ▼菜食の在日ブラジル人も「ブラジルの飲食店は大抵菜食メニューがあるのに、日本では最悪水だけ」とこぼしているように、日本では「菜食お断り」の店が大半だ。また、「自分は菜食だ」と宣言するだけで「押し付けるな」と過剰反応が返ってきたり、「植物だって生き物でしょ」という理屈っぽい批判にさらされたりする。やり込めてやろうという敵意が感じられることもあって、傍目にも同情してしまう▼多分そう言っている人も、キャベツなら手で引き裂けても鶏の首をひねるのはためらうのだろうが、日本人らしいというべきか、まずは理屈が感情より先に立つようだ。理屈を優先するから抑圧された感情が敵意に成り代わって表面化するのか、あるいは菜食=仏教=宗教アレルギーという構図なのか。とにかく「異端」を極端に嫌う日本人の特性がよく現れるのが、菜食主義への反応だ▼当地を含め、肉食国家ほど菜食が盛んという逆説が世界で起こっており、日本でも外国人の多い観光地では対応を迫られている。その一環で在日菜食ブラジル人を利用して、「菜食国際交流」など始めてみてはどうだろう? (阿)