連邦検察庁は29日、元ペトロブラスのサービス部長、レナト・ドゥケ被告に対し、資金洗浄と増収賄の容疑で刑事告発を行なった。同被告はこれで4度目の告発を受けた。これにより同被告に報奨付証言を行なわせる圧力が高まることになり、労働者党(PT)にはますます不利になると、30日付フォーリャ紙が報じている。
今回の告訴は、ペトロブラスから岩塩下層油田の輸送パイプ配管をめぐる契約において、ドゥケ氏は2011年、イタリアの掘削装置企業サイペムに有利になるように便宜を図った見返りとして賄賂を受け取り、資金洗浄したとのもの。
検察庁によると、サイぺムのブラジル支社代表で今回同じく告発を受けたベルナルジ・フィーリョ被告が、ウルグアイに本拠を置くアイレイという企業を通じて、同氏の名義で少なくとも100万米ドルの贈賄をドゥケ被告に行なったという。
また、同じくアイレイ社を通じてドゥケ被告に57万7千レアルの価値のある美術品も贈呈されていた。ドゥケ氏は以前に家宅捜査を受けた際、133点もの美術品が見つかったことでも話題となったが、美術品に形を変えた資金洗浄が疑われている。
ドゥケ被告は3月16日にOASとメンデス・ジュニオール、4月27日にトーヨー・セタル、7月24日にオデブレヒトとアンドラーデ・グチエレス、そして29日と4度目の刑事告発となったが、これにより累積でかなり実刑が重くなることが予想され、連邦警察への罪の軽減を引き換えにした報奨付証言へ応じる圧力が強まってきている。
そして同被告が仮に報奨付証言に応じたと仮定すると、苦しくなるのはPTだ。それはドゥケ被告がメンサロン事件の主犯で実刑判決を受けた元官房長官のジョゼ・ジルセウ氏からの推薦でサービス部長になったいきさつがあるからだ。
メンサロン事件で有罪判決を受けたジルセウ氏は、今回ペトロロン関与でも疑われており、下院のペトロブラスの議会調査委員会(CPI)は同氏の召還を求めている。
また、ドゥケ被告の2度目の告発となったトーヨー・セタルの際には、PTの元会計長のジョアン・ヴァカリ・ネット被告も同じく告発を受けていることから、ドゥケ被告はPT絡みのラヴァ・ジャットでの疑惑のカギを握る人物としてかねてから見られていた。
ドゥケ氏はこれまでCPIの召還には応じているが、報奨付証言は行なっていない。同被告はここ数週間で少なくとも2度、報奨付証言で捜査官に立ち会っている弁護士の訪問を受けているが、現時点で同被告が捜査官との接触を求める様子はないという。
タグ:ペトロブラス CPI PT メンサロン 写真ニュース ラヴァ・ジャット ウルグアイ