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2日未明の試合でのロンダ・ラウジー(右)(Alexandre Loureiro/Inovafoto/UFC)
2日未明の試合でのロンダ・ラウジー(右)(Alexandre Loureiro/Inovafoto/UFC)

世界最強の女性=ラウジーがわずか34秒で撃沈=挑戦者ベッチのホーム・ブラジルで

 2日、ブラジル国内は「世界最強の女性」の話題で終日持ちきりとなった。総合格闘技のアルティメット・ファイト・チャンピオンシップ(UFC)のメイン・イベントで来伯した女子バンタム級王者、ロンダ・ラウジー(アメリカ)がブラジルの挑戦者ベッチ・コレイアをわずか34秒で撃沈させた。
 1日夜から2日深夜にリオのHSBCアリーナで行なわれた今回のUFC190のメイン・イベントは、開始が2日午前2時からと、かなり待たされたものとなったが、試合時間はアッという間だった。
 開始早々、ラウジーはベッチの得意なボクシングで試合をはじめたが、ラウジーのあまりに早いパンチの繰り出しにベッチが対応できずパンチを次々と浴び、さらにはラウジーに足を取られ、頭から転倒した。
 そして、立ち上がろうとしたベッチにラウジーがさらにパンチを浴びせ、ベッチは頭から床に落ちた。ラウジーがさらに攻撃を加えようとしたところでレフェリー・ストップ。その間、わずか34秒だった。
 この直後から、深夜であったにもかかわらず、フェイスブックやツイッターなどはこの話題で持ちきりとなり、2日の間中、メディアがラウジーの話題で持ちきりとなった。中にはこの件を皮肉った画像が出回り、2人の顔にドイツ国旗とブラジル国旗を重ね、昨年のW杯での惨敗の再来だと煽るものや、マットに崩れ落ちたベッチに、ファンキの人気曲「ベイジーニョ・ノ・オンブロ(肩にキス)」にちなんで「ベイジーニョ・ノ・シャン(マットにキス)」とからかうものもあった。
 また、ラウジーがベッチをノックアウトした際に言い放った「ドント・クライ(泣くんじゃないわよ)」という言葉が、ブラジルのみならず英語圏でも知れ渡っていた。これは試合前日の計量のとき、ベッチが自分の勝利を予告してラウジーに言い放った言葉をそのままそっくり返したものだった。
 なお、ブラジル人は34秒という試合時間の短さを騒いだが、これはラウジーにとって12試合中5番目の試合の短さで、その前2試合は16秒と14秒だった。彼女は1ラウンド5分の3ラウンド制のUFCの試合で、2ラウンドまで行ったことが、プロ入り後にまだ1度しかない。
 そして試合後もラウジー人気は続いた。2日、彼女はリオのマラカナン・スタジアムに行き、「フラメンゴ対サントス」の試合をフラメンゴのユニフォームを着て観戦。ここでも大人気だった。
 ブラジル人は、国籍も忘れて、ラウジーの強さに酔いしれていた。それは試合後、ベッチのコーチが「ブラジル人の選手の試合なのに、なぜベッチを応援しないんだ」と嘆いたほどだった。