ジウマ大統領(労働者党・PT)は、行政をスリム化し、支出削減と、意思伝達の潤滑化を目的として、現在38を数える省庁を削減する方針を打ち出したと3日付エスタード紙が報じた。
新組織図はまだ構想段階だが、政府内関係者の話では、水産・養殖庁、安全保障局(GSI)、戦略局(SAE)、港湾局、中小企業局などが統廃合の対象となっている。また一方で、人種・性差平等局、人権局は、政府寄りの社会活動組織の顔色を伺ったか、継続の方針だ。
「省庁削減」は昨年の選挙戦、ライバル候補のアエシオ上議(民主社会党・PSDB)が主張してきたことで、それを批判してきたジウマ大統領が今それを口にする事は、方針の大変換を意味する。他に支出削減の選択肢がないところまで追い詰められたようだ。
大統領は6月に出演したグローボ局の人気TV番組「プログラマ・ド・ジョー」の中で司会者ジョー・ソアレスに「38省庁全ての名前と紋章の色を知っているか」と皮肉交じりに質問されて、「省庁の数が多すぎるとの批判は知っている。将来的に省庁の数を減らすつもりだ」と削減を匂わせる発言をしていた。
「省庁削減」は、レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)、エドゥアルド・クーニャ下院議長(同PMDB)によって公然と要求されてきた課題だった。
2週間の休会のあと、両院議会は3日より再開した。クーニャ下院議長は、ラヴァ・ジャット作戦で収賄疑惑を指摘する証言がでると激高し、連立離脱を宣言、政府財政を圧迫する「爆弾法案」を準備したり、下院での「大統領罷免決議案」審議を公言し、政府にとって最大の頭痛の種となっている。
ジウマ大統領は3日、連立与党の党首を集め、財政を圧迫する〃爆弾法案〃否決で足並みをそろえる事を求めた。そもそもその「爆弾法案」が、当の連立与党(PMDB)のクーニャ下院議長から提出される状況を、連立与党各党首は「地獄のようだ」「破滅的」「大災害」などと形容している。
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