3日にラヴァ・ジャット作戦で逮捕されたジョゼ・ジルセウ元官房長官に対し、党要人にも関わらず労働者党(PT)は公式な擁護を行なわないと表明した。同氏が実刑判決を受けたメンサロン事件のときとは対照的と5日付伯字紙が報じている。
4日、PTの全国幹部大会がブラジリアで行なわれたが、そこでジルセウ氏に関する言及は行なわれなかった。
ルーラ政権の元官房長官(2003~5年)というだけでなく、党首(1995~02年)もつとめていたジルセウ氏。13年に同氏がメンサロン事件で最高裁から有罪判決を受けた際、激しく抗議したPTだったが、今回は態度が大きく変わった。
同様の姿勢はジウマ大統領も見せている。ジルセウ氏の擁護を行なう行動をPTが取れば、ただでさえラヴァ・ジャット作戦などでイメージが悪くなっているPTやジウマ政権の印象がさらに悪化する、との心配が党内に強まっている。
ジルセウ氏やルーラ氏所属の党内最大会派「新しいブラジルを作る会」の中でも、ジルセウ氏の擁護に関して意見が二分しているという。ルイ・ファルコン党首は擁護派のひとりで、「私はまだ彼を見捨てていない。実際に罪状が証明されない限り、彼は被告ではない」とマスコミの前で語っている。
幹部大会の後、極秘で行なわれた首脳会議の判断では、ジルセウ氏の今回の事件は、同党の元会計担当ジョアン・ヴァカリ・ネット被告の場合とは違って、党の名を借りたものではなく、個人的なものであるとの判断を行なっているらしい。
ジルセウ氏は4日、ブラジリアから事件を管轄するパラナ州都クリチーバの連邦警察に移送された。
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