ブラジルの株式市場における国外からの投資額は、7月限定の収支で、5億6790万レアルのマイナスだったと5日付けエスタード紙が報じた。これは今年初の株式市場からの国外資金流出だった。
これは、国内景気の悪化と、主要輸出品目であるコモディティ製品価格下落の反映とされている。
政府の財政調整目標引き下げと、スタンダード&プアーズ社がブラジル投資適正ランクをBBBマイナス安定傾向から下降傾向へ引き下げたことが大きな影響を与えた。
ブラジルの投資格付けが下がりレアル安が見込まれると、株が目減りするので、外国投資家が株を処分する動機になる。
投資ファンドCanepa Asset共同経営者アレシャンドレ・ポヴォーア氏によると「S&P社の評価変更は、ブラジル投資格付けランクの引き下げが年内にも起こりうるのでは、との不安を投資家達に与え、原油、鉄鉱石の価格も連動して落ち込んだ」と語る。
しかし近年のブラジル株式市場への国外資金の流入は大きく、7月のマイナス分を差し引いても、今年に限っての収支は209億7200万レアル増となっている。
ポヴォーア氏は「今後の展開の予想は難しい。予想される米国金利引き上げは、ブラジル主要輸出品目であるコモディティ製品価格に影響するし、国内の高金利によって、投資の流れは必ずしも株式に向かわないという側面もある」と述べた。
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