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記念写真に納まる関係者
記念写真に納まる関係者

練習艦隊サントスに到着!=乗員300人をコロニアが歓迎=折り返し地点で日本懐かしむ

 海上自衛隊の練習艦隊3隻のうち、「やまぎり」「しまゆき」が5日、サントスに入港した。両艦長と乗組員約300人を迎えて、サンパウロ市では同日昼に日系五団体が主催し、文協大講堂で歓迎式典が行なわれた。会場には各県人会などから約300人の関係者が駆けつけ、2008年以来の寄港を祝った。

到着した艦隊(在聖総領事館提供)

到着した艦隊(在聖総領事館提供)

 練習艦隊3隻は5月21日から10月27日までの長期間航海を行なっている。ブラジルへの寄港は外交120周年を記念したもので、日本人移住百周年の08年以来7年ぶり11回目。7月28~31日にはレシフェを訪れていた。
 「かしま」は4日リオに、「やまぎり」「しまゆき」は5日サントスへ分散入港。サントスに降り立った二隻の乗組員381人の内、橋本聖一(やまぎり)、小圷聖一(しまゆき)両艦長ら約300人が歓迎式典に出席した。
 8台のバスが昼12時半ごろサンパウロ市文協前に到着し、温かい拍手で迎えられた。東京都友会の坂和三郎会長の司会で、両国国歌斉唱、開拓先没者への黙祷、花束贈呈や記念品交換が行われた。
 挨拶に立った呉屋春美文協会長は、「久しくお待ちしていた艦隊の来伯。世界最大の日系社会をご覧になり、日伯の親善交流にご協力頂きたい」と期待し、「皆さんの雄姿に接することで我々にも励みになり、コロニアの活性化にもつながる」と歓迎した。
 中前隆博在聖総領事は「分散してでもサントスに寄港したのは、コロニアとの交流を重視したいという気持ちの表れ。日系社会やブラジルの素晴らしさを持ち帰って」と喜んだ。艦隊側は橋本艦長が代表あいさつに立ち、「外交120周年を記念した7年ぶりの寄港。3泊4日という短い期間だが交流を深めたい」と話した。
 最後はブラジル日本商工会議所の村田俊典会頭による万歳三唱。「航海日程の半分を過ぎ、ちょうど日本が恋しくなったころでは。日系社会の歓迎に故郷を感じて」とエールを送った。
 実習幹部の鈴木佐和美さん(27、神奈川)は式典を終え、「これほど盛大な歓迎を受けるとは驚き。日本らしい雰囲気も感じることができた」。岡島健太さん(25、長野)も「これまでの寄港地では一般による歓迎式典はなかった。関係者を艦上に招いたレセプションはあったが、こういった交流はブラジルだけです」と驚きを見せた。
 式典後は出身地ごとに分かれ、各県人会主催の歓迎昼食会で移住者らと親睦を深めた。


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 元大分県人会長の永松通一さん(74)。広島県呉市の自衛隊学校卒業者とあって、サンパウロ市からペルナンブコ州都レシフェやサントスまで艦隊到着を見届けた。レシフェはあいにくの雨天だったというが、「サントスでは形式的な雰囲気もなく、一般も温かく歓迎できた。待ちに待った到着でした」。文協での式典にも駆けつけ、「日本ではこれほど大人数の隊員を一度に見る機会は少ないね。みんな表情が凛としている」と喜んでいた。