ジウマ大統領の支持率が歴代大統領でワースト記録を更新したことを受け7日、ジウマ大統領は求心力の薄れつつある中で、民主運動党(PMDB)を中心とした連立与党の引きとめに必死になっていると7日付伯字紙が報じている。特にPMDBとPSDBとの接近が顕著であり、今後の動きから目が離せないようだ。
ダッタフォーリャでの「支持率8%、不支持率71%」という屈辱的な数字を受け、ジウマ大統領は7日、その対応に追われた。
まず午前、ジウマ氏はミシェル・テメル副大統領(PMDB)と会談を行なった。それはテメル氏が6日に取材陣に対し「この国には国をまとめあげる能力を持った誰かが必要だ」と発言したことが自身を揶揄したように解釈したためだった。
テメル氏はこの後、サンパウロ市の州庁に向かい、同氏がサンパウロ州保安局長だった頃に携わった女性専門警察の設立30周年での表彰式に出席した。
そこで同氏はジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主社会党・OSDB)は「多彩な能力を持つ人物」とテメル氏を賞賛し、表彰状を渡した。二人は式典前に15分間、密室で会談をしていた。これが意味深長なのは、アウキミン氏やジョゼ・セーラ上議らPSDBサンパウロ州支部は、ジウマ氏が罷免されてテメル大統領になったと仮定した際に協力姿勢を示しているからだ。
アエシオ・ネーヴェスPSDB党首は、ジウマ氏罷免と同時に大統領再選挙を打ち出し、自ら立候補を願っている。だが、同党内の大統領候補争いでライバルのアウキミン氏とは、かなり温度差がある。
ジウマ氏は昼、閣僚を集め、新たな大臣選びを話し合った。民主労働党(PDT)とブラジル労働党(PTB)が連立を解消したためだ。PDTは労働相、PTBは商工開発相を担っていた。
ジウマ大統領は夜にはレナン・カリェイロス上院議長のもとを訪れた。その目的のひとつは、議会内での連邦政府の防波堤役を、同議長に期待するためだ。
下院では同日、連邦政府に反旗を翻すエドゥアルド・クーニャ議長の下、大統領が反対していた連邦司法関係者の給与の値上げが承認された。
さらに、これまで議会で審議が止まっていた92年、02年、06年、08年の連邦政府の会計も承認された。これらの審議が済んでいると、粉飾会計疑惑に揺れる14年度の連邦政府の会計が連邦会計検査院(TCU)で違反と正式判断された際、大統領の罷免法案が出しやすくなる。
またレナン議長は4日に、アエシオ氏をはじめとしたPSDBの政治家とPMDBとの間で会談を持ち、ジウマ氏罷免時の際についての話し合いも行なっていたとの報道も出ている。
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