6日夜、6営業日連続のドル高の結果、対ドル・レアル為替が、1ドル=3・53レを記録した事を受け、ブラジル中央銀行(BC)は、市場介入を宣言したと7日付伯字各紙が報じた。
最新のダッタフォーリャの調査結果で、ジウマ大統領の不支持率が71%まで高まった事を受け、6日の為替相場は、一時、1ドル=3・57レに達した。
アルド・メンデスBC金融政策局長が「今の為替レートの動きはブラジル経済の実態とかけ離れており、合理性を欠いている」との発言を受け、勢いは少し弱まったものの、その日の取引は、03年3月5日以来の高値である1ドル=3・53レで終了した。ドルは過去1年でレアルに対し31%上昇した。
ドル高はここ数日激しく、政府が基礎的収支の黒字目標を、GDPの1・1%から実質ゼロの0・15%に下げた事を受け、直近の15営業日だけでドルは対レアルで11%も上昇した。
経済コンサルタント会社「テンデンシアス」の経済分析員、シルヴィオ・カンポス・ネット氏は、「最近のドル高、S&P社による投資格付け引き下げ示唆など、ほとんどのネガティブな動きはブラジル政治の乱れに起因している。議会再開以来の動きはもっと酷い。国家財政に負担となる法案ばかりが承認され、市場の空気は一気に悪くなった」と語る。
BCは投資家、輸入業者、国外債務者に対し、ドル高で被る損失を埋め合わせる働きをする、通貨スワップ契約を持ちかけると発表した。これによって、ドルの買い控えにつながり、ドル高を食い止める狙いだ。
議会再開でブラジルCDSが最高値に急上昇
最近の政治経済状況の悪化に伴い、ブラジル経済状況のリスクを表すブラジルCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も急上昇し、331ポイント(P、6日)をつけ、少なくとも過去5年で最高となった。これは、国家経済破たんの可能性を金融商品化した保証料率で、高いほどデフォルトに近いと見られている。
ブラジルCDSは5月21日には220Pだったが、徐々に上がり始め、7月14日の第16次ラヴァ・ジャット作戦でコーロル元大統領周辺に捜査の手が及び始めたころから急激な上昇を見せている。
3・15大規模デモの翌日に307Pをつけたのが、それまでの最高だったが、今週の議会再開から軽々とそれを抜く展開に。なお、2013年6月の〃抗議行動の波〃以前は100~150Pのゆれ幅を基本としていたので、それ以降の上昇傾向は注目される。
ちなみに、モルガン・スタンレー銀行に〃国際経済変動の影響に弱い5カ国〃と名指しされた他の4カ国、南ア(222)、トルコ(243)、インドネシア(185)、メキシコ(137)と比べても格段に高い数値となっている。
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