世界で初めて原爆が投下されて70年の節目を迎えた6日、広島市であった「平和記念式典」には約5万5千人が参列した。報道によれば、過去最多の100カ国、EUの代表が出席した。コラム子の知人も「原爆の日」にあわせて広島に徒歩で向かったり、イベントを行ったりしている。原発の問題や、昨今の憲法改正の動きで、若者の意識は高まっているようだ▼ブラジルでは、移民百周年があった2008年以降、「平和灯ろう流し」や州立校の生徒たちによる平和イベントなどがイビラプエラ公園で行われたりした。しかし、今年は寡聞にして知らない。予算などの問題はあろうが、百周年フィーバーの余波による一過性のものだったのなら、残念なことだ▼30年近く行われているブラジル被爆者平和協会とブラジル広島文化センターによる法要の出席者も、わずか西本願寺の僧侶らを含め30人ほどだった。これも教育関係者らに呼びかけるなど、平和をPRする機会になったように思う。被爆者や広島にゆかりのある人が静かに平和を願う場となった法要は、NHKが取材していた。日本の人にも知られたなら良かったと思う▼先月末にサンパウロ州タピライ市であった本門佛立宗の「佛立聖地」の宝塔に吊り下げられたのは、「平和の鐘」。同市から広島市に許可を得ており、世界唯二の名称だ。これから毎年5日夜に、タピライ市から聖地までを市民と行進、原爆投下時間に合わせ法要を行うことも発表された。もちろん記念すべき第1回は無事行われ、約100人が松明と共に6キロを歩いた。この小さな行進が大きくなり、末永く続くことを願う。(剛)