ブラジル北東部で、ラジオDJが放送中、スタジオに乱入した2人の若者に襲撃され、銃殺される事件が起こり、世界的に波紋を呼んでいる。
6日昼頃、セアラー州カモシン市のラジオ局に、男女2人の若者が銃を持って侵入した。2人は受付担当者を脅してスタジオ内に入ると、音響担当者に「テーブルの下にかがめ」と命令した後、DJをしていたグレイジソン・カルヴァーリョさんに向けて、頭部に3発、胸部に2発の銃弾を撃ち込んだ。グレイジソンさんは病院に搬送される途中で死亡した。グレイジソンさんが撃たれたのは、番組でちょうど曲のかかっている間だった。
関係者の証言によると、グレイジソンさんは番組内で政治家の汚職を批判することで知られており、これまでにも何度も「殺すぞ」と脅迫されていたと見られている。
翌日、軍警は、フランシスコ・カルネイロ・ポルテラ容疑者(18)と、その恋人のジゼリ・ソウザ・デ・ナシメント容疑者(23)の2人を、殺人に関与したとして、カモシンから80キロほど離れたところで逮捕した。2人が逮捕された場所からはグレイジソンさんの写真が発見された。2人はここを「バーを営むために借りていた」と供述したが犯罪計画を練るための場所だったとの疑いが持たれている。
警察はさらに、グレイジソンさん殺害の実行犯として、チアゴ・レモス・ダ・シウヴァ容疑者(22)と、ジェフェルソン(通称ドゥドゥ)なる容疑者の行方も追走中だ。
ブラジルの人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチによると、今年に入ってブラジルで殺害されたジャーナリストは4人目だという。
この事件は、本国ブラジルよりも、アメリカやイギリスのメディアで衝撃を持って捉えられ、大きく報じられている。(8日付インターナショナル・ビジネス・タイムス、8日付G1サイトより)
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