ブラジル地理統計院(IBGE)が7日、1~7月の拡大消費者物価指数(IPCA)は6・83%上昇し、年間目標の上限値(6・5%)を超えたと発表したと8日付伯字紙が報じた。
7月は例年、物価上昇が比較的穏やかで、過去10年間の平均は0・50%だが、今年は6月の0・79%こそ下回ったものの、食品価格が0・65%、居住費が1・52%、備品費が0・86%など、被服費と教育費を除く全項目で物価が上がり、7月としては2004年以降最高の0・62%上昇した。1~7月の累積は6・83%、12カ月間の累積は9・56%の物価昂進となった。物価上昇による圧迫感は低所得者ほど強い。
直近12カ月間の物価上昇を州都別に見ると、クリチバの10・63%始め、ゴイアニア10・26%、ポルト・アレグレ10・19%、リオ10・18%と、4市で10%台を記録。カンポ・グランデやサンパウロ市も9・82%、9・68%と高い値となっている。
今年のインフレは、電気や上下水道、燃料、交通など、政府統制部門の価格上昇が大きく影響している。また、最近のドル高レアル安も物価上昇圧力となっており、当面は物価上昇をとどめる要因は少ない。
市場関係者らは8月も平年の0・25%を超えるインフレが続くと見ており、7日に発表された中央銀行の調査結果によると、12月末現在のIPCAは、2002年の12・53%に次ぐ9・32%上昇と17週連続で上方修正された。16年のインフレ率も5・40%が5・43%に引き上げられた。
一方、国内総生産(GDP)の成長率は、マイナス1・80%から、マイナス1・97%に下方修正された。この数字はマイナス4・35%だった1990年以来、最悪の予想となっている。