連邦政府は10日、レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)をはじめとする上院議員らによる、「国内総生産(GDP)が回復するための27の提案」と題する提案書を受け取った。エドゥアルド・クーニャ下院議長が率先して下院が審議している連邦政府に不利な「爆弾法案」や、ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免案をレナン議長に食い止めてもらいたい政府はこれを取り上げる意向で、レナン氏も罷免よりも政治の安定を望む発言を行った。11日付伯字紙が報じている。
レナン議長は10日午後、公邸にジョアキン・レヴィ財務相、ネルソン・バルボーザ企画相、エジーニョ・シウヴァ社会通信局長官、エドゥアルド・ブラガ鉱山動力相を招き、上院議員らとともに提案書を提出した。
この提案書の内容は、レナン氏が7日にジウマ大統領と会った際に既に打診済みで、大統領も了承済みだった。
この提案は、「事業とインフラ」「財政バランス」「社会保護」の三本柱で成り立っている。
この中で、連邦政府的に厳しい提案は、「社会保護」部門での統一医療保健システム(SUS)でかかる経費を所得に応じて徴収する案や、「財政バランス」部門での定年年齢に下限を設置する案、「事業とインフラ」部門での大事業における環境認可の迅速化や先住民居住区認定基準の見直しなどがある。
その一方、相続税への課税率引き上げや、三権機関の職員に対する計画的な給与調整など、PTが喜びそうなものも含まれている。
また、「粉飾会計」として違法性を問われている、公的銀行に政府が負担すべき経費を肩代わりさせたりするやり方は繰り返さないことなどを約束させる運用基準に、連邦政府が署名することも求めている。
レヴィ財務相やバルボーザ企画相は10日の会談以前にも、提案書の中にもある、社会統合基金(PIS)/保険融資納付金(Cofins)や、商品サービス流通税(ICMS)の再編について、レナン氏や上院議員らと話し合っている。
レナン議長はレヴィ財務相らとの会合後の記者会見で、下院が14年度の連邦政府会計審議を急ぎたいかのように過去の政府の会計の承認を行ったことに対し、「今の議会の優先事項はそれではない」「国民は議会が火に油を注ぐことは求めていない」と語り、ジウマ大統領罷免に動く議会の流れを牽制した。
同日夜、ジウマ大統領は大統領官邸に43人の上議と21人の閣僚を集めて夕食会を開き、議会投票で連邦政府を支援するよう求めている。