10日にレナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)らが連邦政府に、経済状況改善のための27の提案を出したことに対し、エドゥアルド・クーニャ下院議長が不快感を示し、「下院に対する脅迫行為だ」と批判した。だが、下院の中でも、レナン議長の行為は影響を及ぼし始めている。12日付伯字紙が報じている。
ジウマ大統領はレナン議長の提案を好意的に受け止めた。大統領はこれらの提案は連邦政府の考えに近いとの見解を示した上、「議会と連邦政府が同じ方向を向き、最も望ましい関係にあるとさえいえる」「建設的な提案で、ブラジルが迎えている危機を早期に脱するために協力しようという気持ちの表れ」と語った。
だが、クーニャ議長は11日、このレナン議長と政府のやりとりを、連邦政府と上院が組んでの下院への牽制行為だと解釈した。同議長は「憲法上、議会は2院から成り立っている。上院と下院が一方のみで機能するということはありえない」と反論し、先月起こした連邦政府への絶縁宣言から姿勢が変わることがないことを強調した。
だが、レナン議長の連邦政府へ歩み寄りの姿勢は下院にも影響を及ぼしはじめている。下院は先週、連邦総弁護庁(AGU)や連邦警察や市警頚部、州や市の検察官らの給与を90・25%調整する憲法改正法案(PEC)443の原案を承認したが、11日は、その対象に国税庁や労務省の監察官も加えるという修正案を否決した。
この投票では、賛成票が269票で反対票が185票。憲法改正には下院の3分の2にあたる308票の得票が必要だ。修正案が通れば、連邦政府の負担増は24・5億レから69・2億レに急増するところだった。
修正案否決は各政党の下院リーダーたちがテメル副大統領やメルカダンテ官房長官らと会談した後のことで、共和党(PR)下院リーダー、マウリシオ・キンテラ・レッサ下議は10日のレナン議長の行為は「一時的な態度の変化にすぎない」と受け止めている。
下院リーダーたちのあいだでは、上院同様、下院からも「ブラジルの改善提案」を出そうと試みる動きもあったが、クーニャ議長に近いPMDBのリーダー、レオナルド・ピッシアーニ下議がその動きを差し止めた。
また、野党側も、レナン議長の行為を批判している。民主社会党(PSDB)下院リーダーのカシオ・クーニャ・リマ下議は「連邦政府や労働者党(PT)によって国が溺れかけているときにそんな談合をするのはいかがなものか」と語った。
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