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温室ガス=森林の保護意識は進むも=別要因による排出は増加中

 森林伐採が減っているため、近年のブラジルの「温室効果ガスの排出量」(以下、排出量)は減っているが、森林伐採以外の要因での排出量は増加中と12日付エスタード紙が報じた。1990年~2013年の森林伐採以外の要因での排出量はほぼ倍増している。
 11日に発表された温室効果ガス排出量算定システム(Seeg)のデータでは、過去40年の排出量を排出源ごとに比較した。同様の比較は初めてで、Seegコーディネーターのタッソ・アゼヴェード氏は、「森林伐採が減っても、他の要因による排出量が増えている事実は、連邦政府が国連に提示するための排出量削減案を作成する際に忘れてはならない要素だ」としている。
 これまでブラジルの排出量が最大に達したのは95年と04年の2回で、ガス排出量は二酸化炭素に換算して2・8ギガトンに相当。森林破壊が全体の7割を占めていたが、13年はその比率が35%に縮小した。
 一方、火力発電による排出量は、04年には排出量全体の10%だったが、13年は29%に跳ね上がっている。
 「これは電力供給だけを考えて、多くの火力発電所を稼動させたため。火力発電所から逃す排出量は国内全てのバスの排気量に相当する」とアゼヴェード氏は述べた。
 同氏によると、少なくとも20年まではブラジルの排出量は、09年に設定した36%から38%の減少という目標の内に収まるという。「20年までは、09年に定めた排出量を36~38%減少という目標は達成できるが、その後の成否は確約できない」と結んだ。