連邦会計調査院(TCU)は12日、「粉飾会計疑惑」の最中にある連邦政府の14年度会計に関し、ジウマ大統領に対し、8月17日から15日間の期限で再度説明を求めた。この猶予は連邦政府と上院が説得工作を行ったことによって得たもので、ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免要求にもつながりうるとされるTCUの判断は9月に先送りとなった。13日付伯字紙が報じている。
今回のTCUの延期判断は、連邦政府が7月22日に提出した粉飾会計疑惑に対する事情説明の報告書に関し、会計検察庁が指摘した二つの違反についての説明をジウマ大統領に求めるためだ。この報告書は6月15日に、最初に違憲性が疑われた13点について30日以内に説明するよう求められたために提出したものだ。
当初、TCUのアウグスト・ナルデス報告官ら数人の判事は、大統領に対してさらに時間を与えて説明を求めることに反対していた。だが、連邦政府の閣僚たちが次々とTCU詣でを行い、大統領が説明するための期間延期を求めた。
TCU側の態度は、11日に上院の財政管理委員会が嘆願書をTCUに送ったことで翻った。それを持参したのは、同委員会委員長のオットー・アレンカール上議(社会民主党・PSD)で、同氏はジャック・ヴァギネル国防相(PT)がバイア州知事だったときの副知事だ。
この嘆願を受け、ナルデス報告官は当初、8日間の延長を考えた。しかし、ブルーノ・ダンタス判事が30日間の延長案を出したことで話が急転し、結局、あいだをとって15日となった。ダンタス判事はレナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)の推薦でTCUの判事に就任した経緯がある。
ジウマ大統領が新たに説明を求められている点は、支払える予算がないことを知っていながら、大統領令で多額の支出を認めたことと、失業保険や特別給の支出額を労務省が算出した額より小さな額に固定し、財務状況の悪化を隠そうとした事の2点だ。
一連の「粉飾会計疑惑」に関して、PTとPMDBの親PT派によるPMDB対策は固められつつある。まず、レナン議長は、連邦政府に絶縁宣言を行ったエドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB)が、下院で完了させた連邦政府の過去の会計審査を遅らせる意向を示している。
また、ミシェル・テメル副大統領は12日、副大統領邸にルーラ前大統領やレナン議長、PMDBの主要議員らを集めて朝食会を行い、対クーニャ議長対策を練り始めている。
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