最高裁が麻薬所持を解禁か=薬物対応に大きな転換の動き=現行法は私生活を侵害?
13日より連邦最高裁(STF)が、個人的な使用に限った薬物所持を解禁するかどうかの歴史的な審理を開始すると13日付伯字各紙が報じた。現在はいかなる場合も、麻薬の入手、保管、所持は犯罪行為とみなされる。
薬物所持、使用を違法と定めた06年制定の法令11343号―28項は「私生活の侵害」にあたるとの声があり、今回の審理ではその違憲性が議論される事となる。
この審理は、3グラムの大麻を持っていて逮捕されたサンパウロ州在住の男性が2審でも有罪とされた事を不服とした弁護人が上告した事で行われ、その結果は今後の判例となるため、全国の裁判所で類似するケースを扱っている判事や検察官達は審理の行方を見守っている。
現時点では、STFの判事11人の内3人が、匿名を条件に「個人的な使用のための所持は合法化される可能性が高い」と述べている。これらの判事達は、報告官のジルマール・メンデス判事が「麻薬所持で捕まった人は誰でも、法的手続きに入る前に、裁判官によって、ただの使用者か、密売人かを調査される」という案を出してくると考えている。対象となる薬物が大麻だけか、全ての種類を含むのかなどの詳細は、メンデス判事の報告のあり方次第だ。
マルコ・アウレリオ・メロ判事は、「少量しか持ち歩いていないというだけで個人使用者と判断する事はできない。密売人は大量の薬物は隠しもち、売る分だけを少量持ち歩くからだ」という。
ルイス・ロベルト・バローゾ判事は、今回の審理は「薬物問題をどのように取り扱うかという、国の政策にも影響を与える重要なもの」と位置付け、「審理は、その後の社会的影響を充分に考慮に入れなければならない。先進諸国は使用者への影響を主に懸念しているが、ブラジルでは、薬物密売が貧しいコミュニティに与えている影響を第一に考慮しなければならない」と結んだ。
薬物使用やその所持に関しては論議すべき内容が多いため、この問題に関する審理は長引く可能性がある。
現在、個人使用の目的で薬物を所持していて逮捕された場合は、警告、奉仕活動、矯正措置を含む罰則の対象となる。