リオ・グランデ・ド・スル州ヴェナンシオ・アイレス市で、15歳の少女が恋人に暴行され、片手を切り落とされた。
事件が起きたのは12日未明。同居していた28歳の恋人が口論の末、山刀で切りつけたのだ。叫び声を聞いた隣人が警察に通報したが、救急隊が到着した時、恋人は既に姿をくらましていた。少女は病院で手術を受けたが、14日も恋人の行方はわからないままだ。
少女は3月にも暴行され、裁判所の判断で別居していたが、いつの間にか一緒に住み始めた。
ヴェナンシオ・アイレスは人口6万9千人の町だが、女性への暴行事件は決して少なくない。警察によると、同市で暴行された女性は、1月16人、2月41人、3月38人、4月24人、5月44人、6月44人、7月25人となっている。
また、同州サンレオポウド市では今月2日、22歳のジゼレ・サントスさんが、離婚を受け入れらない夫に、両手首と両足首を切り落とされ、腹部にも50針に及ぶ大ケガをした。
ジゼレさんは7年前、エウトン・ジョナス・ルス・デ・フレイタス容疑者(25)と一緒になったが、夫の嫉妬心が強く、3年目頃からは、友人と会っても挨拶さえさせてもらえなくなった。
二人は夫の母親と同居していたが、子供を生むのは家や車を手に入れてからというジゼレさんの要望で、2カ月前にアパートに転居した。
事件当日は午前中に口論が起き、たまりかねたジゼレさんが「あなたが家を出るか、私が家を出るかのどちらかね」と叫んだため、驚いた夫が泣いて謝ったが、彼女の決心が変わらないため、扉に鍵をかけ、鍵をポケットにしまいこんだ。ジゼレさんは助けを求めるために母親に電話をかけようとしたが、夫が携帯電話を奪い取った。更に近づこうとする夫をジゼレさんが蹴飛ばして突き放した時、悲劇が起きた。夫がタンスの上にあった山刀を手に襲い掛かってきたのだ。最初に狙われたのは頭で、流血に驚いている間も次々に攻撃が仕掛けられた。
ジゼレさんは「もう赦してあげるから」と叫んだが、夫の攻撃は止まらない。死んだふりもしたが、腹に山刀を突き立てられて思わず叫んだところ、「まだ生きていたのか」と言われたという。
ジゼレさんが「神様、彼がしている事を赦してください」と叫び続ける中、攻撃の手を止めた夫は、上着を着ると「母さんに挨拶してくる。俺はもう逃げられないし、お前も長くない」と言って出て行った。
ジゼレさんが助けを求めて叫んでいると隣人が来てくれたため、母親に「さよなら」を言うために電話をしてもらった。救急車が来たのはサプカイア・ド・スルに住む母親が駆けつけてからで、搬送先の病院で足の再移植を受けたが、手の再移植は叶わなかった。
現在のジゼレさんは立つ事もできないため、友人達がオムツなどを買う金をつくるためのショーを企画。その日の内に警察に出頭した夫が刑務所を出る前に引っ越す費用や、各2万4千レアルする義手購入費も要るが、母親は娘が助かった事を神に感謝している。
同州検察局は13日、ジゼレさんの夫を殺人未遂、家庭内暴力などの罪状で起訴した。
同州では昨年、4万3千人の女性が夫などから脅迫され、2万5千人以上が暴行された。暴行事件の84%は家庭内で起き、暴行犯の50・4%は夫だという。(13日付G1サイトより)
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