エクアドル(以下、エ国)裁判所は17日午後4時(現地時間、ブラジリア時間で午後6時)、13日夜、警察に逮捕されたブラジル人女性ジャーナリストで大学教授のマヌエラ・ラヴィーナス・ピック氏(38)の釈放を決めたと18日付フォーリャ紙が報じた。
グローリア・ピンス判事は、ピック氏の国外追放手続きを無効化し、同氏の即時釈放を決めた。さらにピック氏のビザを取り消したり3日間も拘留し続けたりするなどの外務省職員や警察の対応は不適切だったとして、検察に調査を要請した。
ピック氏は13日にエ国首都のキトで行われたラファエル・コレア首相への反対デモを取材中に逮捕され、身柄を拘束された。警察に包囲されたときは、エ国先住民族解放運動の指導者で恋人のカルロス・ペレス・グアルタンベル氏と一緒にいた。警官が同氏とグアルタンベル氏に暴行し、引きずるようにして連行する様子や、顔面に青あざができた写真はデモ参加者たちによってインターネットに投稿された。
ピック氏の母、レナ・ラヴィーナス氏は「すべての機関が強くラファエル・コレア首相によって制御されているエ国で、この裁判官は例外的存在だった。今回の決定は、エ国だけでなく、ラ米全体の民主主義の勝利だ。私たちの民主主義が強化され、今後も司法が権力に操作されないことを望む」と述べた。
ピック氏は、キトのサンフランシスコ大学で講義する傍ら、フリーランス・ジャーナリストとして、アルジャジーラその他のメディアで活躍している。
フォーリャ紙のインタビューに答えたピック氏は、今回の逮捕は、グアルタンベル氏がエ国の先住民族居住地からの鉄鉱石や石油採掘に反対する運動を指揮してきた事に対する政府の報復だと述べている。