「先祖に感謝の気持ちを伝えたい」―。そんな想いを抱いた若手日系人4人が、昨年グループ「エン・ラッソス」(En Lacos=縁・絆)を結成し、外交120周年を祝う記念公演「縁―運命の絆」を企画している。29日午後7時半からサンパウロ市のFECAP劇場(Av. Liberdade, 532)で、日系アーティストを中心に約60人が集い、ダンスと音楽を通して日本移民を顕彰する。日本文化の価値を再発見した日系の青年らによる新たな動きに、コロニアからの注目が集まりそうだ。
エン・ラッソス発起人の水本エリアネさん(31、四世)は、「大学に進学してしばらく日本文化から離れた時、一層その価値を実感するようになった。習慣やものの考え方、価値観、色々な面で私たちは恩恵を受けている。先祖と、先祖を受け入れてくれたブラジルに感謝を伝えたい」と企画に込めた想いを語る。
同じ想いを抱いた三世・四世の友人らが創立メンバーとなった。その一人、ホンダに勤務する藤田ロドリゴさん(31、三世)も、「日系人であったことが就職にも役立った。日系社会はブラジル人に本当に好意的に見られている。その恩返しがしたい」と話す。
昨年の結成後、パラナ州クリチーバで1回目の公演を開催し、好評を博した。イベント開催にあたって様々な人の手助けや一期一会の出会いがあることから、公演名を「縁」としたという。
2回目となる今回は、外交120周年と、著名バレエダンサーのイヴォニセ・サチエさんへの顕彰を兼ねて実施。出演者にはグルッポ民、太圭流華の会、琉球國祭り太鼓、優美など、近年活躍中の若手日系芸能団体が名を連ねている。全15演目。
水本さんは「豊かな日伯文化をアートの形で表現するのが『縁』公演。三世、四世がそれぞれの才能で持って表現するこの文化を、観客に見てほしい」と話した。
入場料は50レアル。60歳以上と学生は半額。6歳以下は無料。購入はサイト(www.getout.me/events/en-lacos-do-destino)、もしくは太陽堂(Praça da Liberdade, 153)にて。問い合わせはエン・ラッソス(電話=11・94499・8380、Eメール=en.lacosdodestino@gmail.com)まで。