高速バスの降り際、コラム子の横を「シネース」と言い、通りすぎるブラジル人女性がいた、その後話しかけてくる意図は全く感じられなかったから、からかう目的だったのだろう。
中国人と間違われて気に障ったのではない、悪意を感じたので、懲らしめようと「違うよ日本人だよ」と去り行く背中に呼びかける。「違うよ」と反応されると思わなかったのか、バツが悪そうに「同じようなもんでしょ」と肩をすくめて立ち去った。
「あんたこそアルジェンチーナ? ああ、ブラジレイラ? 同じようなものでしょ」と返そうかと思ったが咄嗟に言葉が出てこなかった。
サンパウロ市に暮らして1年強、これまで人種差別を感じた事は一度もない。
これだけコスモポリタンな国、街で国籍・人種を理由にからかうなど、ナンセンスの極みだろう。「なにそれ? 面白くない。もう少し気の利いた冗談言えないの?」が正解だったか。(規)