水危機が叫ばれて以来1年半以上過ぎた18日、ジェラルド・アルキミン(民主社会党・PSDB)サンパウロ州知事が、大サンパウロ市圏の給水状況が危機的状況であることを公式に認めた条例を初めて発表したと19日付伯字紙、サイトが報じた。
同条例はサンパウロ州水資源・エネルギー局(DAEE)が出したもので、人口2千万人以上を数える大サンパウロ市圏への給水が危機に瀕した場合、サンパウロ州政府は、水源が地上か地下かを問わず、個々人への取水許可を差し止められるようになった。
同条例で「危機的」とされたのは、19日現在の貯水率が15・4%まで落ちたアウト・チエテ水系で、同水系流域委員会会長のベネジト・ラファエル・ダ・シルバ・サレゾポリス市長は19日、今回の条例について議論するため、DAEEやサンパウロ州水道公社(SABESP)との会談を希望していると語った。この条例は事前の通達もなく交付されたという。
DAEEは18日に出されたサンパウロ州条例2617号について、「緊急事態宣言」は大サンパウロ市圏に水を供給する各水系の貯水池に降る雨の少なさ故に出されたものと説明し、同地域では今年の後半も酷い干ばつが続くと考えている事も明らかにした。DAEEは、当局の方針に反する形、または当局の許可を得ずに水を利用すれば犯罪と見なされる事も明確にした。
同市長は「アウト・チエテ水系は危機的だ」として、取水制限を正当化する条例がチエテ川上流地域に及ぼす影響を案じ、「水危機が叫ばれる中、大サンパウロ市圏に住む人への水の供給が第1で、動物や農業は第2、第3と言いたいのはわかるが、農家が多い地域では農業が最優先されるべきだ。農業は地域経済を支えているだけではなく、サンパウロ市に食料を供給する大事な役割も負っている事を考慮すべきだ」と語った。