連邦検察庁は20日夕、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)を、ラヴァ・ジャット作戦での収賄ならびにマネーロンダリングの容疑で起訴した。最高裁がこれを受理した場合、クーニャ氏は被告扱いとなる。20日付伯字紙サイトが報じている。
検察庁はクーニャ氏のほかに、フェルナンド・コーロル上議(ブラジル労働党・PTB)も起訴した。19日までの見込みでは進歩党(PP)党首のシロ・ノゲイラ上議らも対象となっている。
クーニャ氏の名前は、闇ブローカーのアルベルト・ユセフ被告の報奨付供述と、トーヨー・セタル社元役員のジュリオ・カマルゴ被告が7月16日にパラナ州連邦地裁で行った証言に出てくる。
カマルゴ被告によると、クーニャ氏は、サムスン社とトーヨー・セタルが2006~07年にペトロブラスと結んだ国外での石油採掘船に関する契約で受け取るべき1千万米ドルの支払いが遅れているとして、PMDBのロビイスト、フェルナンド・バイアーノ被告に脅しをかけたという。
クーニャ氏はその後、カマルゴ被告やバイアーノ被告とリオで会って、「私は500万米ドルの価値がある」との言葉で贈賄を強要し、それを得たという。クーニャ氏に関しては、その他にも国内外での金の受け渡しなどの情報がある。
また、コーロル氏に対しては、UTCのジョアン・ペソア被告が報奨付供述で、BRディストリブイドーラ絡みの契約で2010~14年に計約2600万レアルを払ったと語った。ペソア被告はノゲイラ氏に対しても200万レアルの贈賄を行ったとしている。
3人の告発は19日中にも起こるかと思われていたが、手続きに時間を要している。検察庁からの起訴状は、クーニャ氏に関してが80頁、コーロル氏に関しては200頁の長さがあるという。
この報道を受け、クーニャ氏は18日、「仮に告発を受けたとしても下院議長は辞任しない」との意向を示した。
クーニャ氏はカマルゴ被告の供述が報道された際、「検察庁と連邦政府が自分を罠にはめようとしている」とし、7月26日に政府との絶縁宣言を行った。同氏は今回の告発に関しても「労働者党(PT)の政治家が含まれていない」とし、不当だと主張している。
ただ、クーニャ氏への議会内での風当たりも強くなりはじめており、社会主義自由党(PSOL)のシコ・アレンカール下議は19日、下院でクーニャ氏の辞任要求の署名を求めた。これに関してはPMDBのクーニャ派らが「告発だけでは辞任の理由にはならない」と反発している。
ただ、クーニャ氏が被告となった場合は強い逆風が予想され、ジウマ大統領への罷免審議を行いたい勢力にとっても、罷免への勢いを殺がれる事態にもなりかねない。
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