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ピアウイで一家全員銃殺=隣人は危うく難を逃れる

 ピアウイ州アレグレッテ・ド・ピアウイ市の民家で18日夜8時頃、23歳の女子青年とその母親、祖父母、叔父、いとこの6人が銃殺されるという事件が起きた。
 事件が起きたのは、シセロ・ドミンゴス・デ・カルヴァーリョさん(63)とフランシスカ・ルイザ・デ・カルヴァーリョさん(63)夫妻の家だ。
 警察によると、犯人達は同夫妻の自宅の前に車で乗りつけ、同夫妻と娘のシウヴィア・フランシスカ・デ・カルヴァーリョさん(43)、養子のシウド・シセロ・デ・カルヴァーリョさん、孫のマリア・ド・ソコーロ・デ・カルヴァーリョさん(23)、彼女のいとこのバルトロメウ・ゴメス・デ・カルヴァーリョさんを皆殺しにした後、姿を消したという。
 犯人達の真の標的は脅迫にあっていたとの情報もあるマリア・ド・ソコーロさんと見られ、遺体には他の人以上の弾が撃ち込まれていた。
 隣人達によると、犯人は少なくとも3人で、銃声はわずかの間に30発を超えたという。
 バルトロメウさんの父親はシセロさん宅の隣に住んでおり、シセロさんの自宅の前に車が停まったのを見て、誰か具合が悪くなったのかもしれないと考え、息子に様子を見に行かせたところ、続けざまに銃声を聞いた。
 驚いた男性はすぐにシセロさん宅に駆けつけたが、そこで見たのは、自分の息子を含む、6人の死体だったという。
 やはり親戚だという隣人は、「最初に銃声を聞いた時は花火かと思ったが、台所の窓から覗き、様子が違うのに気づいた途端にまた銃声が鳴り響いた」と証言している。
 警察によると、マリアさんは麻薬売買にも関係していたらしく、12年に近隣のパドレ・マルコス市で起きたシナラ・ラモスさん殺害事件と、シナラさんの友人で今年6月に殺害されたジョージ・フランシスコ・カルヴァーリョさん殺害事件に関与した疑いで、警察が監視を続けていた。
 ジョージさんはシナラさん殺害事件の目撃証人で、マリアさんを告発するために警察で供述を行うつもりだったが、その前に殺されたという。シナラさんとマリアさんは麻薬の売り場を奪い合っていたとされ、警察は先週、シセロさん宅を家宅捜索し、ライフル3丁と拳銃2丁を押収した。火器は自分のものだと供述したシウドさんは、身柄を拘束されたが、保釈金を払って釈放された。
 マリアさんは教育学と神学を修め、法学も学んでいたが、殺人への関与や麻薬売買が疑われ、脅迫も受けていた。
 警察は今回の事件は報復の可能性が高いとして捜査を開始。19日には事件に関与したと見られる容疑者5人の身柄を拘束したが、全容の解明には時間が必要だ。
 バルトロメウさんの父親は「自分は息子を死地に赴かせてしまった」と自分を責めているが、別の隣人は、様子がおかしいと思って助けに行こうとした時、妻に止められて家に留まったために難を逃れたという。(19、20日付G1サイトより)