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20日、パウリスタ大通りに集ったジウマ支持者の群衆(Paulo Pinto/Agencia PT)
20日、パウリスタ大通りに集ったジウマ支持者の群衆(Paulo Pinto/Agencia PT)

反大統領罷免デモ発生=社会運動家や労組が参加=下院議長や財相も槍玉に

 サンパウロ市で20日、8・16ジウマ大統領罷免要求デモに対抗する目的で、社会運動家や労組主体のデモが行われ、およそ4万人(サンパウロ州保安局調べ)が参加したと21日付エスタード紙が報じた。
 同様のデモは全伯26州(エスタード紙より、フォーリャ紙は24州)と連邦直轄区で起きた。このデモはPTも支援しており、同党は、8・16で民主社会党(PSDB)がやったのと同様、テレビでCMを行って参加を呼びかけた。
 今回のデモでは、先回のデモで罷免を要求されたジウマ大統領を支持する声に負けず、現政権の経済政策批判もあり、緊縮財政政策の一環として社会福祉切り詰めも行おうとしているジョアキン・レヴィ財相や、同日にペトロブラス社関連の汚職疑惑で告発された、反ジウマ急先鋒のクーニャ下院議長も、槍玉に挙がった。
 ホームレス労働者運動(MTST)代表のギリェルミ・ボウロス氏は「我々の権利を守るために来た。しかし、政府に諸手を上げて賛成してはいない」と述べた。同氏は大統領罷免を擁護するPSDBの首脳陣を「PSDBのクーデター一派共」と呼んだ。
 「ジウマ退陣」を叫んだ8・16デモでは参加者の多くが中産階級以上だったのに対し、20日のデモ参加者の多くは中央統一労組(CUT)などの労組組合員や社会運動団体所属者で、世帯収入が最低賃2倍以下の参加者が24%(ダッタ・フォーリャより、8・16では6%)いた。
 「レヴィ、出て行け」「クーニャ、出て行け」と叫ぶデモ隊は、現政権の経済政策や、レナン・カリェイロス上院議長らが提出した経済立て直しへの提案も批判した。
 ジウマ氏支持が無条件のものではないことは、農地占拠運動(MST)中央委員長のジョアン・パウロ・ロドリゲス氏は「ジウマ大統領、後生だから今の資本家優遇、労働者軽視の政府を変えてくれ」との言葉にも表れている。
 セアラー州フォルタレーザのジョゼ・ギマラエス下議(PT)は、同州のデモでは、ジウマ支持だけでなく、経済政策の変更やより多くの社会保障を求めるアピールもされた事を指し、「これこそ、民主主義のあるべき姿だ。多様なアピールがされた今回のデモの方が本当のブラジルを反映している」と語った。