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メンデス判事(Carlos Humberto/SCO/STF)
メンデス判事(Carlos Humberto/SCO/STF)

メンデス判事=ジウマの選挙の捜査求める=ペッソア被告の証言を元に=疑惑企業の献金1億レ超=運転手名義の印刷社調査も

 連邦最高裁判事で高等選挙裁判所(TSE)副長官のジウマル・メンデス判事は21日、連邦検察庁と連邦警察に対し、ジウマ大統領の2014年の選挙キャンペーンにおける企業からの献金に関する調査を行うよう要請したと22日付伯字紙が報じた。

 メンデス判事が今回の判断を行う根拠としたのは、UTC社のリカルド・ペッソア被告が5月に行った報奨付供述の中で、「2014年の大統領選挙の際、労働者党(PT)を支援しなければペトロブラスとの契約を結ぶことができなくなると思い、ジウマ陣営に750万レアルの献金を行った」と発言したことなどだ。
 メンデス判事は、「PTが間接的な形で(政治献金が法律で禁止されている)公社のペトロブラスの金を、(汚職を行った企業からの)献金として受け取ったと疑われる形跡が少なくない」と要請書の中で書いている。
 同判事は先週、TSEの会計調査部に、PTが2010~14年に受け取った政治献金を調べさせており、PTはラヴァ・ジャットでの疑惑企業であるOAS、アンドラーデ・ギテレス、ケイロス・ガルヴォン、UTC、カマルゴ・コレア、エンジェヴィクス、オデブレヒトから、合計1億7200万レアルの献金を受け取っていたこともわかっている。
 要請書の中では、PTが疑惑企業から得た献金のうち、ジウマ大統領の選挙に回された資金は4750万レアルだったとも記されている。
 メンデス判事はさらに、検察庁と連邦警察に対し、ジウマ氏の選挙の際、PTからの支払い受け取り額が2番目に多かった印刷会社「フォーカル」などに対する調査も行うよう要請した。この会社は正式に登録されてはいるものの、代表者の名前が同社の運転手の名前になっている。
 この要請書が出されてすぐ、大統領府社会通信局は「14年の選挙キャンペーンに関する支出や企業などの情報は全てTSEに出してあり、満場一致で承認を受けた」と反論を行った。会計報告を承認したメンバーにはメンデス判事も含まれているが、同判事は「ラヴァ・ジャットに関する企業献金疑惑が次々と明るみに出てきたのは2015年になってからだった」と要請書の中で弁明している。
 このメンデス判事の要請を受け、昨年、大統領選挙を争ったアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)は「公社の金が使われたと疑われる形跡があるのだとしたら、非常に深刻な問題だ」と語った。