24日、連邦政府が9月末までに39省庁中、10省を削減し、局長レベルなど約1千人の職員を減らすと発表した。同日は、ミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)が政府の政局調整役(アルチクラソン)を降りることも発表した。25日付伯字紙が報じている。
10省の削減はネルソン・バルボーザ企画相が発表した。どの省庁や役職が削減されるのか、それによりどのくらいの財政切り詰めになるのかなどの具体的なことは明かされなかった。
省庁削減を企画相が発表したのは、ジウマ大統領はこれまで頑なに削減に反対していたというイメージがあり、大統領があまり表に出ない方がよいと助言されたためだという。同大統領は昨年の大統領選で野党候補たちから省庁の多さを批判された際、「運営の仕方がわかっていない」と批判していた。
フォーリャ紙によると、連邦政府は、労働省と社会保障省の合併や、水産省の農務省への吸収、農業開発省と社会開発省の合併、戦略局と安全保障室の廃止などを考えているようだという。また、女性政策局と人種平等政策局の人権局への吸収もありえるとされているが、これに関しては労働者党(PT)の強い反対があるという。
同紙によると、連邦政府は、10の省庁とそれに伴う関連職員約1千人の整理などで、約10億レアルを節約できると見込んでいるという。
これにより注目されるのが、連立政党との関係だ。大臣職には連立支持の見返りとして与えられるという性質もあるからだ。現在、民主労働党(PDT)とブラジル労働党(PTB)が連立解消を望んでいるが、削減状況次第で、さらなる離脱が起き、議会工作が困難になる可能性もある。
他方、同じ24日、テメル副大統領は、PMDBのエリゼウ・パジーリャ航空庁長官と共に、4月から引き受けていた連立政府内のアルチクラソン役を降りることを発表した。ジウマ大統領は思いとどまるよう説得したが、意志は固かった。
テメル氏らのアルチクラソン撤退は、上院での承認が残っていた財政調整法案審議前に交通部門を増税対象から外すための暫定法案を加えるよう求めたが、ジョアキン・レヴィ財務相に断わられたことや、議会工作のための議員割り当て金として5億レアル拠出との合意が覆ったことを不服に感じたことが原因だ。テメル氏が行った「この国にはリーダーが必要」との発言を、ジウマ大統領に「自分の罷免を想定しているようだ」と批判されたことなどもある。
連邦政府と絶縁したエドゥアルド・クーニャ下院議長は、11月に予定されているPMDBの党大会を前倒しして行い、連立解消を話し合うことを求めている。PMDBは現時点で7人の大臣を抱えている。