ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は、サンパウロ州内の官民合同プロジェクト(PPP)32件を断念したと25日付エスタード紙が報じた。
32件のプロジェクトの内、六つの裁判所、三つの複合刑務所、違反車両集積場、地下鉄20号線、ABC地区を走る近郊鉄道などの建設と運営などの6プロジェクト(予算総額130億レアル)は具体的な計画の検討や民間業者への発注入札も発表されていた。
サンパウロ州政府は文書で「計画そのものを断念した訳ではなく、民間資本導入があまり優先されていない事業や、納税者に対しより負担のかからない方法が考えられる事業をPPPの対象外とした」とし、州知事広報室も「インフラ関係の事業は公共事業か民間事業として行う事も可能だ。特定の事業計画がPPPの枠から外れたという事は、事業の実現を諦めたという意味ではない」と述べた。
都市間輸送部門を中心としたPPPの事業見直しは、7月の運用委員会で満場一致で決定していたが、議事録は22日付の州政府官報によってようやく公表された。
都市間輸送部門では、地下鉄、サンパウロ州近郊電車(CPTM)、サンパウロ州都市圏運輸公社(EMTU)関連の専用バスレーンなど、11件がPPPの対象外となった。その中にはサンパウロ市南部のカンポ・ベロ地区と大サンパウロ市圏のグアルーリョス市をつなぐ地下鉄19号線や、サンパウロ市とジュンジアイー市を結ぶ高速道もあった。
違反車両集積場と地下鉄19、20号線の棚上げ決定は、「現行の予算縮小の傾向を考慮して」なされた。現在の経済危機はサンパウロ州財政にも強い影響を与えており、上半期の税収は14年同期より2・9%縮小した。
教育調査研究所(Insper)のセルジオ・ラッザリーニ教授は、PPPは今後ともサンパウロ州にとって重要であり続けるとし、「現在のような経済危機のときにはより多くの民間資本を呼び込むことがもっと重要となる。投資家のリスクを減らすような良いプロジェクトを立案する必要がある」と述べた。