在ブラジル群馬県人文化協会(矢島オタビオ会長)は23日、宮城県人会館で『創立70周年、及び群馬県、サンパウロ州姉妹都市提携35周年記念式典』を開催した。岩井均県議会議長、国際戦略課の笠原寛企画部長ら民間含め10人の慶祝団が来伯。羽藤ジョージサンパウロ州議、野村アウレリオサンパウロ市議、北伯群馬県人会の岡島博会長、日系団体の代表者ら約120人がお祝いに駆け付けた。
矢島会長は「御臨席の皆様のおかげで今日を迎えることができた」と謝辞を述べ、岩井議長は「これを契機にして会員相互の連携を更に深め、今後も友好関係の推進にご指導を賜りたい」と祝辞を述べた。また笠原部長が大澤正明知事の祝辞を代読した(同頁にて掲載)。
中前隆博総領事は「通訳五人男」の一人で群馬県人の嶺昌を紹介し、「様々な県人がブラジル社会の発展の一翼を担い貢献してきた」と称えた。61年に実兄が移住した移住家族会の稲野辺卓郎会長は、「これからも移住者の皆さんへ支援と協力をしていきたい」と思いを述べた。
日系団体を代表して本橋幹久県連会長は、「約2800人が群馬県から移住しており、現在では2万人を超える県系人がいる。県にとっても大きな財産では」と話し、94年の県費留学生、有田マルセロさんが「65年以来189人を受け入れてもらった。今では各分野で活躍し、県人会活動の活性化にもつながった」と報告した。
続いて、慶祝団側から、会員5人に向けた県功労者表彰が行なわれ、同県人会の渡辺ヨランダ副会長が代表謝辞を述べた。高齢者85人も表彰された。
また県知事、県議会をはじめ、各慶祝団体から同県人会に祝い金の贈呈、県知事からはさらに日系三団体に向けた寄付金、県人会から県庁、県議会に向けた記念品の贈呈もあった。
姉妹州県提携に尽力した野村丈吾氏(連邦議員、故人)の息子、野村アウレリオ氏に県人会から記念品が贈られた。
鏡割りの後、小渕民雄副会長より「母県からの多大な支援に心から感謝申し上げる」と閉会の辞が述べられ、慶祝団と会員はしばし歓談を楽しんだ。
慶祝団には、久保田富一郎元県議会議長(故人)と岡島会長と共に、パラー州の「群馬の森」建設に関わった山田忠雄さん(73、群馬)の姿もあった。現在まで20回以上の渡伯経験があり、「ブラジルは自分の原点」と笑顔を見せていた。
慶祝団
笠原寛部長(企画部国際戦略課)、佐藤武夫課長(同)、青山裕亮主任(同)、岩井均議長(県議会)、山本勉係長(県議会事務局)、久保田順一郎監査委員(県)、山田忠雄会長(株式会社山梅)稲野辺卓郎会長(群馬県海外移住家族会)、福田初男会長(群馬県海外支援交流会)、小山浩事務局長(同)
功労者表彰者
渡辺ヨランダ、柴田猛、小林ヒデコ、荒井徹、加藤ジャネックス豊。(敬称略)
「関係、さらに強固に」=群馬県知事 大澤正明
在ブラジル群馬県人会は、昭和20年に発足して以来、移住者への多方面にわたる支援や移住者相互の交流などの活動に、70年の長きにわたって取り組まれました。
昭和43年の県人会館建設、昭和55年には群馬県とサンパウロ州の姉妹州県提携にご尽力されるなど、一貫して積極的な活動を展開し、着実な発展を遂げてこられました。これもひとえに、運営に携わってこられた歴代の役員の皆様をはじめ、会員皆様のご尽力の賜物であると、深く敬意を表す次第であります。
また、そうした長年にわたる御功績により、本日、表彰をお受けになられる皆様には、心よりお祝い申し上げますとともに、今度なお一層の御活躍を期待申し上げるところであります。
県といたしましても、これより貴県人会との間で築き上げてきた関係を、さらに強固にしていきたいと考えておりますので、皆様には一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。
そして姉妹州県提携以来、サンパウロ州と群馬県との友好関係は着実に深まっており、この関係が今後も一層親密になることを希望しております。(抜粋)