「みんなの笑顔を見たくって」―『第4回土佐祭り』が高知県人会青年部(武田アウグスト部長)の主催で、22、23日にサンパウロ市のアグア・ブランカ公園で行われた。両日とも晴天に恵まれ、来場者は昨年の3万人を大きく上回る5万人と大盛況だった。特設ステージには高知県観光特使のクラシックギターデュオ「いちむじん」の2人が登場。同時開催のアニメイベントや錦鯉の品評会も加わり、老若男女が楽しんだ。
土曜日の開会式で片山アルナルド県人会長は「今年はあらゆる意味で大変な年だが、会員一同努力して作り上げてきた。どうぞ楽しんでいってほしい」と挨拶。続けて羽藤ジョージサンパウロ州議、野村アウレリオサンパウロ市議らも挨拶した。
〃移民の祖〃水野龍の息子の水野龍三郎氏、本門佛立宗のコレイア教伯教区長等も出席。飯星ワルテル連邦下議は片山会長に功労者として議会の感謝状を贈った。片山会長は「聞かされていなかったので驚いた」と喜びを隠せない様子。
特設ステージでは「いちむじん」の2人が龍馬伝のエンディングテーマや高知民謡「よさこい節」をテーマにしたもの曲を40分に渡り演奏した。夕日をバックにしたロマンチックな音色に観客は思わず聞き入った。
他にも歌手の中平マリコさんは「南国土佐を後にして」を披露。太鼓の演奏や、ストリートダンス等、全43演目が披露された。
料理コーナーでは、同県人会名物のカツオのたたき、姿寿司、てんぷら等が完売する勢いだった。「家族が皆参加しているから何かやりたくて」という甲藤さゆりさん(19、三世)は元気な接客で大活躍だった。
アニメイベントではバンド演奏や、コスプレ大会などが催され、若者に人気の様子だった。また昨年好評だった子ども向けの遊具に加え、スケートボード場も併設された。
初来場だというベアトロス・ゴッジスさん(25)、ルーナス・シモインスさん(22)は「食べ物やショー、とにかく色々なものが楽しめるので来て良かった」と満足げな笑顔をうかべた。
今回は新たに「錦鯉品評会」が同時開催され、特設会場では鮮やかな錦鯉が来場者の目を引いた。ステージ近くには日本庭園も設置され、「高知らしさ。日本らしさ」を求めていた武田部長の思いが達成された。
武田部長は「仕事の合間を縫って今年も大変だったけど、皆の笑顔を見られたから、やる価値はあった」と汗をぬぐった。当日は龍馬のイラストが入った半被を着た、約60人の青年ボランティアが活躍し、県人会の未来の明るさを感じさせた。