26日、上院の憲政委員会で、連邦検察庁長官に再指名されたロドリゴ・ジャノー長官の諮問会が行われたが、先日、同長官から起訴されたばかりの元大統領、フェルナンド・コーロル上院議員が最前列に陣取り、罵声を飛ばして話題を呼んだ。
ジャノー長官と言えば、ここのところ毎日のようにブラジルの新聞紙上をにぎわせている大型汚職事件、「ラヴァ・ジャット作戦」を指揮して一躍名を上げている辣腕の長官だ。
一方のコーロル氏は、1989年に行われた民政復帰後のブラジルで初の国民選挙で、弱冠40歳で選ばれた大統領ながら、3年後に収賄容疑で前代未聞の大統領罷免を受けた人物。その後、2007年に上院議員に復帰するも、ペトラブラスの子会社BRディストブイドーラとの企業契約を斡旋し、約300件、合計約2600万レアルの収賄を受けたとして、連邦検察庁から20日に、大統領罷免時のときでさえ受けなかった起訴を受けた。
無実を訴えるコーロル氏はこの起訴に激怒。さらに賄賂代わりの贈呈が疑われているフェラーリやランボルギーニなどの愛車を没収されたままになっていることでジャノー長官を恨み、議会の席で同長官を「売春婦の子供」の意味の「フィーリョ・ダ・プッタ」との侮蔑語まで発して、話題にもなっていた。
コーロル氏はジャノー氏の諮問会に朝一番ではせ参じ、最前列を陣取った上、諮問会の最中にまたしても「フィーリョ・ダ・プッタ」と叫んで、ジャノー長官に怒りをぶつけた。
なお、コーロル氏には大統領時代にひとつの伝説がある。それは、その当時、同氏が自宅で、対立していた人たちに対して黒魔術の儀式を行っていたというものだ。この話は後に噂話として流れていたが、2012年に元妻のロザーネ氏が「本当の話だ」と暴露し、話題になった。
なお、コーロル氏の罷免後、同氏が罷免されるきっかけとなった汚職計画を画策した参謀役のPCファリアス氏は恋人と共に惨殺され、同氏の罷免を証言で後押しした実弟のペドロ氏も癌で死亡。その他の関係者も数名死亡しており、ロザーネ氏も「あの呪いは効いた」と語っていた。
今回の件でコーロル氏がジャノー長官を呪うかどうかも含め、ラヴァ・ジャットの行方も気になるところだ。(26日付G1サイト、フォトス・プブリカスなどより)