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鏡割りで105周年を祝福
鏡割りで105周年を祝福

一世紀超える絆、再確認=岡山県人移住105周年=伊原木知事ら16人来伯

 ブラジル岡山県文化協会(根岸健三会長)は23日、県人移住105周年を祝い、サンパウロ市のゴールデンチューリップホテルで記念式典を行なった。伊原木隆太知事、小野泰弘県議会議長ら含め16人の慶祝団が祝福に駆けつけ、当日来場した約130人の関係者と共に一世紀を越えた節目を祝った。

ケーキカットする(右から)伊原木知事、根岸会長、小野県議会議長

ケーキカットする(右から)伊原木知事、根岸会長、小野県議会議長

 中前隆博在聖総領事、羽藤ジョージサンパウロ州議員、日系団体の関係者らが駆けつけた。県連の本橋幹久会長は、「岡山県が1959年に県費留学制度を始めてくれたおかげで、結果としてその後8年の間に全都道府県が同制度を開始した。我々も非常に感謝すべき」と祝辞を述べた。
 県費留学生第一期生として挨拶した栢野定男さんは、当時を思い出し「戦後の傷跡が残る時代で生活は苦しかったけど、みんな元気で活力に満ちていた」と語った。
 お互いに記念品を交換し、続く功労者・高齢者表彰では代表の真名子和博さんが「これからも日伯交流の手足となり、若い人材を育成する覚悟を新たにする次第です」と決意を述べた。
 県から日系3団体への記念品贈呈の後、元技術研修生の大塚ラケウますみさんが挨拶に立った。「県費研修制度のおかげでより良い職につけた」と報告。また「就職だけでなく、先祖の文化を理解でき尊敬するようになった」と内面的な変化にも言及した
 県民愛唱歌「みんなのこころに」を大合唱し夕食祝賀会へ。鏡割り、ケーキカットで移住105周年を祝った後、夕食と歓談の時間へ。
 最後は慶祝団員と県費留学生・技術研修生OBによる懇談会が行なわれた。OBが語る研修制度への感謝や意見に、知事は熱心に耳を傾けていた。


使いやすいレンタルホール=改修終了、利用呼びかけ

 会館のリフォームされ地下1階ホールが一新。今年から、レンタルスペースとして使い勝手の良い空間に生まれ変わっている。
 8月5日の海上自衛隊練習艦隊入港の際も、県人歓迎会でこのホールが使われ、シュラスコと日本食が振舞われ好評を博した。
 ホールの床を80センチ掘り下げて天井を高くし、圧迫感の無い空間を作り出した。立食パーティーなら80人は入る広さがあり、誕生日等のパーティー会場として使われている。
 設備は台所とシュラスコ専用グリルのほか、ビリヤード台もあり、カラオケも可能だ。
 備品はイス70脚、長テーブル5台、70センチ四方テーブル30台、3人掛けソファ2脚。
 根岸会長は、「便利な場所にあり、誕生会などパーティにうってつけです。是非利用してほしい」と呼びかけている。
 レンタル料は1日400レ。事前予約が必要。問い合わせは同会(電話11・3207・3487、午前9時~午後1時)まで。



~移住105年の歩み~

 初めて岡山県人がブラジルの地を踏んだのは1910年。第2回ブラジル移民船「旅順丸」の28家族約130余人が先駆けとなった。
 会創立は53年「在伯岡山県人会」の名称でスタート。初代会長は水本春造氏。79年「ブラジル岡山県文化協会」と改称、現在に至る。
 同県人会の特色は、母県の岡山が教育県と呼ばれていることに習い、子弟教育に注力している点だ。全都道府県人会に先駆け、59年に県費留学生制度が三木行治元知事により創設された。
 03年の廃止までに77人の子弟を母県に送った。他に、企業で技術を習得する海外技術研修員は現在までで139人に及ぶ。大学や企業で得た経験を糧に、様々な分野で活躍している。
 活動の中心であるサンパウロ市リベルダーデ区にある会館は1979年、県や会員の協力を得て購入した。会館ホールは会の催し物や歓迎パーティーなどで使用されており、県人会関係者の絆をつないでいる。


岡山県知事 伊原木隆太

伊原木知事

伊原木知事

 一世紀を超えて絆をつないでこられた皆様に、知事として挨拶できることを大変嬉しく思います。
 今やブラジルは、ワールドカップやオリンピックが開催されるなど、大変な発展ぶりです。
 この成長の背後に、岡山県人を初めとした日系の方々の長きに渡る努力があったことは、万人の認める所です。何も無い状態から今日の繁栄を築かれた皆様の努力に対して、心から敬意を表したいと思います。
 現在、岡山県では教育に注力しており、自分の努力で道を切り開いていくことの大事さを伝えております。皆様はそのお手本であり、ブラジルで日本人の評判が大変良いのも、正直に努力をしてこられたおかげです。
 岡山県人会と日系社会の益々の繁栄を祈念して、私の祝辞とさせて頂きます。(抜粋)


岡山県議会議長 小野泰弘

小野議長

小野議長

 105年の長きに渡り、岡山県から移住した先人達が日系社会の繁栄、そして現在のブラジル発展の基礎を築いたことに、敬意を表したいと思います。
 初めてブラジルに参りましたが、このサンパウロに100万人以上もの日系の方がおられるということで、この度の発展を支えてこられた皆様に感動を覚えます。
 残念なのは、県費留学生制度が国の財政難等で廃止になってしまったことです。これは単に経済的な繋がりだけでなく、心と心が触れ合う機会です。ぜひとも復活していただくよう、国の方に要望して参りたいと思います。
 岡山県議会としても、伊原木知事と一緒になって皆様との交流を活発化していきます。ぜひともお力添えをよろしくお願いいたします。
 日系人社会、またブラジル社会の御発展を心より祈念して、私の挨拶とさせて頂きます。


岡山文化協会会長 根岸健三

根岸会長

根岸会長

 母県岡山より16名の慶祝団、当地から各界代表者ご臨席の下に式典を挙行できますこと心から厚く御礼申し上げます。
 岡山県人会は1953年に岡山文化協会として発足、以来今日まで母県と強い絆で結ばれ県からのあたたかい御支援と御指導を頂いてきました。
 三木行治元知事により1959年、県費留学生制度が生まれました。母県を訪れた留学生、研修生は、身に着けた学問と技術をブラジルの発展のために役立て活躍しております。
 来年はリオデジャネイロにて第31回夏季オリンピックが開催されます。これを機にますます日本とブラジルの交流が深まることを期待しております。