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ブラジルの野口英世論=毛利さんが論文を発表

曽我部威事務局長(左)に会報を手渡す毛利さん。会館に飾られる野口の肖像画の前で

曽我部威事務局長(左)に会報を手渡す毛利さん。会館に飾られる野口の肖像画の前で

 文学や哲学、文化という観点から自然環境を批評する日本エコクリティシズム研究学会の会報「エコクリティシズム・レビュー」第8号に、元非常勤大学講師の毛利律子さん(66、沖縄)=サンパウロ市在住=が「ブラジルでの野口英世評論を読む」と題する報告論文を発表した。
 彼女によれば、「ブラジルの文献には野口の実績と評価の不一致よりも、人間としての高潔で真摯な人物像が描かれている」(同会報より)。
 野口が研究生活の大半を過ごしたサルバドールを訪ね、ブラジリアの中古書店で文献を探し、半年ほどかけ執筆した。
 案内のため来社した毛利さんは「記念碑やレリーフが各地にあり、特にバイーアでは偉業を称える文献が多い。これを機に日系人にも広く知ってもらいたい」と呼びかけた。
 青蓮山法眼寺(岡山県倉敷市)のブラジル別院(サンパウロ市ビラ・カロン)を手伝うため4年前に移住。学生時代から日米比較文化論を専攻しており、現在は人文研会員でもある。同研究会は1994年に広島大学で設立、会報は08年に創刊した。
 会報は、野口が福島出身であることから福島県人会に進呈された。事務局(Rua da Gloria, 721, Liberdade)で読むことができる。問い合わせは同県人会(11・3208・8499)、または毛利さん(同・2941・7830)まで。