サンパウロ州の水危機は依然として深刻で、カンタレイラ水系の8月の降水量は85年間で2番目に少なく、取水量と入水量の差は315億リットルに達したと1日付エスタード紙が報じた。
カンタレイラ水系は大サンパウロ市圏だけで520万人に水を供給しており、アウト・チエテ水系とあわせると970万人の命をつなぐ水源だが、8月の同水系の入水量は、雨や川からの流入をあわせても5800リットル/秒で、2万4200リットル/秒という平年値より76%、少雨といわれた14年8月の8200リットル/秒と比べても29%少ない。
これに対し、大サンパウロ市圏に給水するための取水量は1万4300リットル/秒、カンピーナス地方に住む500万人への給水用にも3300リットル/秒が取水された。差し引きすると8月は315億リットルの出超で、貯水量は14年12月以来の大幅減となった。
1日現在のカンタレイラ水系の貯水率は15・4%(未開の水域第2弾までを含む貯水量を同水域からの取水開始前の貯水量で割った数字で、従来の貯水量のみを基準とするとマイナス13・8%)で、マイナス7・7%だった昨年9月1日より貯水量は少ない。
このため、国家水資源庁とサンパウロ州の水資源・エネルギー局は、9月1日からの取水量を最大1万3500リットル/秒に規制している。
他方、カンタレイラより更に状況が厳しいのはアウト・チエテ水系だ。同水系は未開の水域を持たない上、8月中の入水量は3700リットル/秒で、平年の1万1400リットル/秒を67%下回り、同水系が出来た1992年以来、最少を記録。1日の貯水率は13・7%(昨年同日は15・4%)に低下した。
少雨により川の水位が50%も低下しているピラシカバ川では、ここ数週間で40トン余りのゴミが回収されたという。
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