ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 全国選手権=名門ヴァスコが泥沼に=最下位脱出のめど立たず
8月2日に首位(当時2位)コリンチャンスと対戦した、ヴァスコの様子(右)(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)
8月2日に首位(当時2位)コリンチャンスと対戦した、ヴァスコの様子(右)(Daniel Augusto Jr./Ag. Corinthians)

全国選手権=名門ヴァスコが泥沼に=最下位脱出のめど立たず

 サッカーの全国選手権(通称「ブラジレイロン」)で、上位争いとは別に注目を浴びているのが、目下、無残な成績で最下位に沈んだままのリオの名門、ヴァスコ・ダ・ガマだ。
 ヴァスコ・ダ・ガマといえば、リオではフラメンゴにつぐ2番目の人気チームで、1990年代を代表したストライカーのロマーリオなど、名選手も輩出してきた。1997年にはブラジレイロン、翌98年にはリベルタドーレス杯を制し、南米一にも輝いている。
 だが、今季のヴァスコの成績は散々だ。ブラジレイロンは9月2日の時点で22節まで終了したが、ヴァスコはここまで3勝15敗4分。奇しくも首位のコリンチャンスは15勝3敗4分なので、ちょうど真逆の成績だ。また、同リーグでは17位以下が2部降格となるが、2日現在でヴァスコは、19位のジョインヴィレにさえ勝ち点差7をつけられている。
 しかも、現在は引き分け一つをはさんで7連敗中で、7試合連続で無得点中。2日に行われたインテルナシオナル戦では0―6という屈辱の結果も味わった。
 内容も非常に悪い。この22試合でヴァスコがあげた総得点はわずか8点。失点は、前述の6失点のほかに、4失点での負けが2試合、3失点でのそれが5試合と、なす術のないワンサイドでの敗戦が目立っている。
 2日の大敗の後、90年代のセレソンの名サイドバックで、Jリーグの鹿島アントラーズでも活躍したジョルジーニョ監督は「男であることをとにかく証明してくれ」と厳しい言葉で選手を責めた。同氏は8月中旬に再建を託され、監督を引き受けたばかりだ。
 もっとも、「ヴァスコが絶望的に弱い」というのも疑問だ。今年前半のリオ州選手権では優勝を飾っており、現在、ブラジレイロンと並行進行のブラジル杯では準々決勝まで勝ち進んでいる。技術面以外の何かに、ブラジレイロンでの絶不調の理由を疑いたくなっても不思議はない。
 国内でも熱狂的ファンの少なくないヴァスコだが、ファンのあいだでもSNS上には落胆の様子が強く現れている。そのひとつの例が、グローボ局の女性司会者のファッチマ・ベルナルデスだ。彼女の夫で、かつて同局の夫婦ニュースキャスターとしても有名だったウィリアム・ボーネルは3日、ヴァスコが0―6で負けたあと、「我が家でも問題が起きてしまった。もうヴァスカイーナ(ファッチマ)はふて寝してしまった。困ったことに、ブラジル杯の準々決勝の相手は(ボーネルが大ファンで有名な)サンパウロなんだ」とツイートしていた。(3日付ネットヴァスコなどより)