9月2日、首位を行くコリンチャンスは、強豪フルミネンセをホームに迎えた。
9月1日にチーム設立105周年を迎えた直後のこの試合、ファンは粋な演出をした。スタンド一面に黒と白のボードで縦じまの模様を描き、それを背景にして、巨大な旗にロープをつけ、先端を屋根に固定し、引っ張り上げることで、旗が観客席からスルスルとひとりでに立ち上る仕掛けで度肝を抜いたのだ。
コリンチャンスは、セレソン供出、警告累積、ウィルス性疾病で3人、さらに怪我で2人の5人のレギュラーを欠いて戦う事になったが、チャンスが回ってきた下部組織出身の20歳の新星、この試合が全国選手権初先発出場のマルシェルが開始4分で先制点を叩き込むと、観客の興奮は一気に最高潮に達した。
フルミネンセは調子の上がらないロナウジーニョはサンパウロにすら帯同しておらず、エースFWのフレッジも怪我、来年1月にイタリア移籍の決まっている18歳の期待のジェルソンもいま一つの出来だった。
コリンチャンスは追加点のチャンスを何度も逃し、カウンター攻撃からヒヤリとするシーンを作られるも、無失点でしのぐと、後半にフリーキックから、大ベテランのラルフが頭で合わせて追加点、この日負けた2位チームとの差は勝ち点7に拡がった。
好試合に水を差す誤審も起きた。オフサイドで取り消された、後半10分のコーナーキックからのフルミネンセ幻の同点ゴールは、ビデオ再生で見ると全くオフサイドではなかった。
コリンチャンスは最近、ハンドによるPKの見逃し、オフサイド判定による幻のゴールが2回、微妙なPK獲得が2回と、ことごとく判定に助けられている。
サッカーを肴に語ることが大好きなブラジル人は「コリンチャンスの審判買収」を叫ぶ敵のファンと「なんでもかんでも審判の責任にするな、ほとんどの試合で優勢だったことは間違いない」とやり返すコリンチャンスファンがインターネットで論争を繰り広げている。
とにもかくにも43日で13試合と、現地紙には「マラソン」にもたとえられる過酷な連戦も8試合を消化した。
主力の怪我、セレソンでの欠場も続くが、代役が活躍するのも強さの証明残り16試合、このまま駆け抜けるか。(規)
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