ジウマ大統領(労働者党・PT)は2日、ミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)に対し、同氏が8月24日に離脱を宣言した政局調整役(アルチクラソン)への復帰を願ったが、同副大統領は現状への不満を口にし、復帰を拒否した。3日付伯字紙が報じている。
2日、ジウマ大統領はテメル副大統領を大統領官邸に招いて食事会を行ない、アルチクラソン復帰を願った。だが、テメル氏はこれを、「もうその話は終わったこと」として受け入れず、今後に関しても「状況によっては助けたいが」と述べるにとどまった。
逆に、テメル氏の口から出てきたのは、ジウマ氏が「銀行小切手税(CPMF)を復活させるか否か」の議論を行った際に同氏を会議のメンバーに入れなかったこと、さらに、省庁削減の話も、大統領自身は8月23日に決断していたのに、同24日にバルボーザ企画相が発表する直前まで、テメル氏をはじめとする主要閣僚には何も知らされていなかったことに対する不満だった。
ジウマ大統領はこの前日の1日にも、レナン・カリエイロス、エドゥアルド・クーニャの上下両院議長(共にPMDB)に16年予算案の305億レアルの赤字を減らすための協力を求めて断られているが、この日の会談は大統領とPMDBの軋轢を再度露呈することとなった。
それでも、ジウマ大統領はテメル氏に、305億レアルの赤字解消のための話し合いを6日に大統領官邸で行う約束を取り付けた。テメル氏8日に、PMDB所属の閣僚やレナン、クーニャ両議長、同党所属の州知事7人を集め、政治的、経済的な危機に対処するための方策を話し合うことを決めた。
ただ、テメル氏はCPMFの導入に強く反対しており、今回も、増税による赤字解消策を探るよりも、連邦政府の財政支出を切り詰めることで基礎的収支のバランスをとることを求めている。
テメル氏からはアルチクラソン復帰を拒否されたジウマ大統領だが、8月31日にはすでに、アウド・レベロ科学技術相(ブラジル共産党・PCdoB)にアルチクラソン入りを依頼している。レベロ氏は、2004年に当時のルーラ政権が大統領府調整局を創設した際の初代長官だ。
大統領府調整局長官の座は、ペペ・ヴァルガス氏(PT)が4月に解任されて以来空席となっている。ジウマ大統領は最初、現航空庁長官のエリゼウ・パジーリャ氏(PMDB)に依頼したが断られ、テメル氏が兼任していた。大統領はテメル氏の離脱後もパジーリャ氏に後任を依頼したが、このときも断られ、自らが調整役を負う必要に迫られていた。
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