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乾杯の音頭をとる木多喜八郎氏(中央)
乾杯の音頭をとる木多喜八郎氏(中央)

450人がアリアンサの旧交温め=郷友会、結成から半世紀=出聖者の世話や交流支え

 ありあんさ郷友会(市川利雄会長)の『第50回親睦会』が8月30日、サンパウロ市の沖縄県人会館で行われ、会員ら約450人が集まった。民間主導の協同組合形式で1924年に創設された同移住地には、最盛期には1千家族程度が住んでいたと推測されるという。戦後、子弟のサンパウロ市進学が激増し、1965年にサンパウロ市に郷友会が結成された。そこから半世紀という節目を迎え、中前隆博在聖総領事や飯星ワルテル連邦下議、各日系団体代表者らも祝福に訪れた。

大勢の会員が集った

大勢の会員が集った


 午前10時半から記念式典が行われた。市川会長は会員、関係者らに感謝を述べ、「協力することの大切さをアリアンサ出身者は学んでいる。50年間も会が続いた理由はそこにあると思う」と語り、協力の精神とともに郷友会を次世代へ継承することを誓った。
 功労者、高齢者表彰も行われ、受賞した橋浦行雄さん(90、鳥取)が代表挨拶。「人が集まるかと不安を抱えながら開催した第1回親睦会だが、麻州からも参加者があり、感激したことを今でも覚えている」と会結成当時の様子を振り返り、「これからも毎年続けたい」と決意を述べた。高齢者表彰を受けた野村澄江さん(95、鳥取)は「親睦会は初年度から参加していて、毎年の楽しみです」と喜んだ。
 式典後の祝賀会は、アリアンサ出身の木多喜八郎文協名誉会長の乾杯ではじまり、全アリアンサ連合会提供のシュラスコや会員らが持ち寄った料理が振舞われ、会場のあちこちで旧交が温められた。第一アリアンサ在住の竹原幸雄さん(84、二世)も「小学校時代の友人に会えて楽しい」と親睦会を満喫した様子だった。
 ありあんさ郷友会は、アリアンサ移住地創設者の一人、北原地価造氏の「地方在住者とアリアンサ在住者の交流する場所が必要」との発案をもとに、元第2アリアンサ創設理事の橋浦昌雄氏が結成した。毎年の親睦会に加え、アリアンサで記念行事がある際は、ツアーを企画し、交流の継続を図ってきた。会員有志による上京者の出迎えや生活の世話は、アリアンサ出身者の当地での活動を支えた。