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サンパウロ市長の公約に遅れ続出=優先課題の半分は未着工

 サンパウロ市東部イタイン・パウリスタ区のジョゼ・ベネジット・デ・ソウザさんは6年間で5回洪水にあい、今年2月の洪水でも家屋や家具の破損で6千レアル相当の損害を受けた。サンパウロ市北部在住のマルシア・アラウージョ・デ・オリヴェイラさんは、4歳の孫娘が誤って硬貨を飲み込んだ際、小児科医を求めて緊急病院を訪ね歩いた。
 これらは、フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)の就任後2年半の時点で、都市整備関連公約の大半が達成されてない一例だ。再選を目指す来年の市長選まで1年少々。ハダジ市政の課題を6日付フォーリャ紙(F紙)が報じた。
 同市長が先の市長選で公約した施策は751件で、64%に当たる479件は端緒についてさえおらず、17%の131件が進行中で、既に実行されたのは19%にあたる141件のみだ。
 F紙の取材に対し、市役所は連邦政府からの経済活性化計画(PAC)の補助金がおりていないことを理由に挙げたが、PACを統括している都市省は逆に、資金解放は自治体が計画を軌道に乗せてからが原則として反発。サンパウロ市のプロジェクトは既に400万レも受け取ったとしている。
 同市長は13年1月1日の就任演説で貧困対策を最優先に掲げ、「これ以上の社会格差を放置する事はできない」と強調すると共に、教育や保健を優先課題としたが、任期満了まで1年半余りの現在、両部門の公約は半分も達成できていない。