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日本産のり、市場開拓に前進=兵庫県漁連が伯向け輸出開始

 兵庫県産海苔のブラジル市場開拓を目指す、同県漁業協同組合連合会から3人が来伯し、8月末に初の輸出が成立したことを発表した。サンパウロ市で27日、県の漁連関係者が記者会見を行なった。
 取引量は日系2商社で計72万トン。今後日本食店やスーパー等でとり扱われることになる見通しだ。6年程前から進めている同プロジェクトには、これまで何度も事業団が来伯を重ねていた。
 同連合会の市場調査によると、現在ブラジル国内では年間3億枚の海苔が消費されているという。95パーセント前後が中国産で、韓国産が数パーセント、日本産は0・13パーセントの40万枚に留まっている。
 突々淳参事と田沼政男副会長理事が「味は中国産と比較にならない。これまでの調査でもそれは実感している」と話すように、「品質」を武器に、今後の輸入増に期待をかけている。
 また、ブラジル内での新たな生産拠点を建設する計画もある。今年2月の訪伯時にパラナ州2都市で行なった説明会において、「パラナグア市が誘致に積極的であり、企業関係者も興味を示している」と明かした。
 当地での法人格取得や、現地企業との協力体制構築といった具体案には至っていないものの、中南米地域への輸出も可能となる。実現すれば近年消費が増大しているというチリなど、他国での市場開拓も期待される。
 また一行は『兵庫県人会55周年式典』にも慶祝団として参加。「パラナ州と兵庫県の関係を強固にする意味でも、何とか成功させたい」とも話した。